知恵絞る「子ども食堂」 静岡県内団体、自ら資金確保

 貧困対策や居場所づくりを目的に、子どもに食事を提供する「子ども食堂」を展開する静岡県内の民間団体の間で、自発的に活動資金の確保に取り組む動きが出てきた。寄付などに頼る団体が多い中、財政基盤を固め、食堂の安定的な継続を目指す。

来店者に子ども食堂の取り組みを写真で紹介する店員(左)=静岡市駿河区の「ひまわりのだし巻きたまご屋さん」
来店者に子ども食堂の取り組みを写真で紹介する店員(左)=静岡市駿河区の「ひまわりのだし巻きたまご屋さん」

 静岡市内4カ所の子ども食堂の運営をサポートする「静岡市子ども食堂ネットワーク」は今夏、同市駿河区丸子に「ひまわりのだし巻きたまご屋さん」をオープンした。運営費を企業の寄付金などで賄っている。今秋、市内で新たに二つの食堂開始の計画があり、今後増加が見込まれる費用を捻出するため出店を決めた。
 フェイスブックに開店日を掲載し、主に注文を受けて調理する。だし巻き卵の売り上げは市内の食堂の食材費や会場費に充てる。同ネットの飯沼直樹さん(48)は「だし巻き卵を食べて、子どもの居場所となっている子ども食堂を応援してほしい」と話している。
 熱海市の「Smile熱海子ども食堂@シニアもね」の石橋浩美代表(56)は、近所に農家が少なく、野菜の寄付が集まりにくい地域事情を説明する。「身銭を切ると活動を長く続けられなくなる」と話し、フリーマーケットに婦人雑貨や子供服を出品して資金を集めているという。
 浜松市で「やらまいか 子ども食堂」を開くNPO法人サステナブルネットは5日に磐田市で開かれた「とよおか軽トラ市」に出店し、焼き鳥を販売した。売り上げを運営費とする。
 県西部の食堂運営支援にも取り組む同NPOの渡辺修一理事長(55)は「子ども食堂の活動を知らない人も少なくない」と指摘。自ら資金を獲得しつつ、活動の周知でさらなる協力の広がりにつながると、出店の意義を説明する。

 ■協力者や会場確保も手探り
 県社会福祉協議会が昨年行った調査によると、県内には継続的に開かれる子ども食堂が29カ所ある。県内では活動期間が浅い食堂が多く、活動資金も公的機関の助成金、参加費、寄付など団体によりさまざま。「活動資金をはじめ、協力者や会場確保など課題も多く、それぞれが試行錯誤で取り組んでいる最中」(同社協)という。
 子ども食堂は運営者により貧困支援、孤食防止、地域交流など、目的も対象も多様で定義が曖昧。営利目的でなく対象が限定されているなどの場合、食品衛生法に基づく営業許可も不要(県衛生課)で、実態把握が難しく安全管理体制の確立なども課題となっている。

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