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貧困、DV…安心して入居を 沼津、母子支援の拠点再出発

(2017/3/10 11:00)
沼津市の新たな母子生活支援施設として建設が進む「のぎくホーム」=2月末、沼津市内
沼津市の新たな母子生活支援施設として建設が進む「のぎくホーム」=2月末、沼津市内

 生活困窮、家庭内暴力(DV)など事情を抱えた18歳未満の子どもや女性を受け入れる「母子生活支援施設」。老朽化などを受け、公営施設を中心に全国で減少する中、沼津市で民設民営の新施設が4月にスタートする。関係者は「ひとり親家庭は増加傾向で、支援のニーズは多様化している」と公的支援の充実を訴える。
 同市営の「野菊園」(1972年築)は耐震強度不足や老朽化を理由に、行財政改革の一環で2009年に民営化が決定。引き受ける社会福祉法人が数年にわたって見つからず、一時は施設の存続が危ぶまれた。市が全国社会福祉協議会に相談したところ、東京都内で母子生活支援施設の施設長を務めていた大沢正男さん(67)が「施設を絶やしてはいけない」と一念発起。新たに社会福祉法人「東静会」を立ち上げ、理事長に就任した。
 新設する「のぎくホーム」は20世帯分の居住スペースに加え、DV被害者や児童の一時保護室、カウンセリング室などを備える。市の事業として一般向けの夜間・宿泊保育も実施する。住居部分は2DKの間取りでシャワー付きトイレも完備。「支援を受けることに引け目を感じ、自分を責める母親もいる。安心して入居してほしい」(大沢理事長)との思いを込めた。
 母子支援員や少年指導員、心理職などを配置し24時間体制を敷く方針で、市こども家庭課の担当者は「民営化で支援内容は充実する」と期待を寄せる。4月1日から運営開始予定。一部職員を現在も募集中で、大沢理事長は「母子支援に関する理解を広め、施設運営のノウハウも伝えたい」と話している。
 施設に関する問い合わせは東静会<電055(929)0137>へ。

 ■公営、全国で減少
 母子生活支援施設は「母子寮」の名称で全国に整備され、戦後数を拡大した。全国母子生活支援施設協議会の実態調査によると、1996年度に307あった母子支援生活施設は2014年度には240に減少。老朽化で公設公営施設の廃止が相次ぐ一方、民設民営の割合は増加傾向にある。
 県内では1990年代以降旧清水、三島市の施設がそれぞれ廃止され、現在は静岡、浜松両市の施設が、ともに民間で運営されている。
 97年の児童福祉法改正以降は入居者の生活支援が目的に追加された。近年はDV被害世帯の入所が半数を占める。厚生労働省によると、2015年10月時点で全国に243カ所あり、3465世帯(児童5766人)が利用している。

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