コラム「組織内の賞や評価」【こち女】

 「士気の低い組織ほど、(上層部が部下に対して)賞を与えたがる」。ある公的機関の生え抜きのトップだった知人男性が、退職後にそう話していました。

 内部表彰の目的は、部下を鼓舞して操ること。真面目な部下ほど、賞をもらうと喜ぶ。しかし賞の基準が、市民が真に組織に期待していることと一致しているとは限らない。だから「組織内評価」を求めていては、良い仕事はできない-と。
 何年も前に聞いた時には正直、ピンときませんでした。ふに落ちたのは、子育てで勤務時間などに制約のある自分には、社内評価を求めるすべがないと悟った時。フルタイムで働く同僚とは、もう同じ土俵に立てないと知った時。初めて、実は無意識に、私は社内評価を求めていたのだと気付きました。
 知人の話を思い出し、評価されたり褒められたりすることに価値を見いだすのはやめようと決めました。市民や社会に少しでも役に立つ仕事かどうかを、ただ一つの判断基準にしました。するととても気が楽になって、働きやすくなりました。
 賞や評価は、あらゆる組織に、当たり前のように存在します。それをもらうことが、励みになることもある。でもそれは、本当に大切なものではないはず。時に目くらましにさえなることを、忘れたくありません。  (伊豆田有希)

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