４０歳を過ぎ、物の「重さ」がつらいと思うことが増えました。気に入っていた皿なのにその重さで使う頻度が減ったり、掃除機を提げて階段を上り下りするのがおっくうで、ほこり取りのシートを挟むタイプで済ませたり。スーパーの買い物もカートを必ず使っています。
　美的収納プランナーの草間雅子さん（静岡市）は、加齢によって少しずつ体力気力に合わせた生活空間に変えていく必要があると言います。皿の収納方法やバッグの中身の整理も、数や量の加減、ゆとりが肝心。あれもこれもと用意したい防災リュックは、本当に背負える重さかどうかと問い掛けます。
　しかし、重い軽いの基準だけで選ぶのはやっぱり味気ない。「好きな物をじっくり丁寧に見つける」という視点も大切と草間さんは説きます。そうすると、必要以上に物を買わなくなり、これぞと見つけた物を長く丁寧に扱うようになる。
　確かに、最近は自分の好きな色、柄、シルエットなど、流行とは別に「自分はこれが好き」という目安が明確になってきました。マイナスに捉えがちな年齢による心身の変化を、愛用品を見つける楽しさに転換していけば、前向きになれそうです。 （岡本妙）