こち女ボイス「卒園・卒業」

 自宅近くで、小学校卒業式を終えた帰り道とおぼしき、女の子とお父さんにすれ違いました。新型コロナウイルスの感染拡大と臨時休校。経験のない環境下で巣立ちの日を迎えた親子に、ささやかですが、祝意を込めて笑顔で会釈をすると、お父さんが気付き、笑顔を返してくれました。

 わが家も長男が保育園を卒園。年明け時点では、東京五輪・パラリンピック開催の年に卒園、そして小学校入学だ、とのんきに喜んでいましたが、それも延期となるほどの世界的惨状を前に、ぼうぜんとするばかりです。
 しかし、散歩をすると桜が一つ花開いていることに気付きます。パンジーの花弁は5枚と知りました。公園では女子高校生2人が練習する管楽器の音色を幼子とお母さんが楽しそうに聴いています。
 以前、東日本大震災被災地で活動した看護師から、惨状を前に自らが抱えたストレスは「今の仕事」に集中して緩和したと聞きました。普段なら風景として通り過ぎてしまいがちなモノやコトに耳を澄ましたり目を凝らしたりして「今」に集中し、小さな喜びを積み重ねていきましょう。  (加藤愛己)

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