特急列車「踊り子」185系が引退へ 沿線駅弁店から惜しむ声

 東京と伊豆急下田駅(静岡県下田市)、修善寺駅(伊豆市)を結ぶ特急列車「踊り子」として運行開始時から使用されるJR東日本の電車「185系」が12日、ダイヤ改正に合わせ、同列車から引退する。40年間伊豆に向かう観光客を乗せて走り続けた車両に、沿線の関係者からは引退を惜しむ声が聞かれる。

12日で特急「踊り子」から引退する185系電車=4日、静岡県東伊豆町
12日で特急「踊り子」から引退する185系電車=4日、静岡県東伊豆町
185系登場時の記念掛け紙(左)と引退記念掛け紙を手にする守谷匡司社長=10日午前、伊東市広野の祇園本社
185系登場時の記念掛け紙(左)と引退記念掛け紙を手にする守谷匡司社長=10日午前、伊東市広野の祇園本社
185系特急「踊り子」の定期運用終了に合わせて発売される記念乗車券とポストカード
185系特急「踊り子」の定期運用終了に合わせて発売される記念乗車券とポストカード
12日で特急「踊り子」から引退する185系電車=4日、静岡県東伊豆町
185系登場時の記念掛け紙(左)と引退記念掛け紙を手にする守谷匡司社長=10日午前、伊東市広野の祇園本社
185系特急「踊り子」の定期運用終了に合わせて発売される記念乗車券とポストカード

 同社によると、185系電車は1981年1月に登場。同年10月に運行開始した特急「踊り子」で本格的にデビューした。観光客以外にも、下田市の須崎御用邸へ向かう天皇ご一家、皇族方も乗車された。引退は車両の老朽化が理由で、順次廃車にする予定。
 JR伊東駅の駅弁店「祇園」(伊東市)の守谷匡司社長(50)は「白地に緑のストライプの車体が斬新だった」と登場時を振り返る。同社は引退に合わせ、1月15日から3月下旬まで、幕の内弁当の掛け紙を185系電車のイラストに変更している。「駅弁を手に多くの方が乗り込んだ185系へ感謝の気持ちを伝えたい」と語る。
 河津町観光協会の島崎博子事務局長(66)は40年前、東京駅での踊り子号出発式に参加した。列車名の由来である川端康成の小説「伊豆の踊子」にちなみ、踊子姿の女性たちと一番列車を見送った。「かわいらしいヘッドマークが印象的。河津のPRに貢献は大きかった」と感謝する。

 ■お別れ記念乗車券 伊豆急行販売
 伊豆急行は185系特急「踊り子」が12日に定期運用を終えるのに合わせ、8枚組の硬券記念乗車券とポストカード=写真=を発売する。特別企画の第3弾。1部2360円(アルバム付き)で、同日から限定3000部(1人3部まで)を同社ホームページで販売する。
 乗車券は「踊り子」が停車する伊豆高原や伊豆急下田など6駅に、女子プロゴルフ「フジサンケイ・レディース」や海水浴シーズンに臨時停車した川奈、今井浜海岸、蓮台寺の3駅を加えた8区間。ポストカードは往年の勇姿を収めた。アルバムには第2弾で販売した記念自由席特急券も収納できる。
 4月17日からは伊豆高原、伊豆急下田の両駅でも2000部を販売する。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞