駅名看板文字を電子化「天浜線フォント」 静岡大・研究室制作

 静岡大情報学部の杉山岳弘研究室は2日、天竜浜名湖鉄道(浜松市天竜区)の駅舎などに残る手書き看板の文字をデジタルフォント化した「天浜線フォント」の完成を発表した。学生らが天竜二俣駅でプロジェクトの成果を示し、手書き文字への愛着やフォント化による文化の継承について思いを語った。

「天浜線フォント」の完成を発表した静岡大情報学部の杉山岳弘研究室のプロジェクトメンバー=浜松市天竜区の天竜二俣駅
「天浜線フォント」の完成を発表した静岡大情報学部の杉山岳弘研究室のプロジェクトメンバー=浜松市天竜区の天竜二俣駅

 天浜線フォントは、同線前身の国鉄二俣線が開業した1935年ごろから残る手書きの駅名看板を基に制作した。まとまった手書き文字の現存例は少ない。杉山教授は「手書き文字は貴重な文化財で、日本の原風景の一部」と保存の意義を強調する。
 2019年4月に11人の学生有志が制作を始めた。各駅などで撮影した写真を元に、文字をトリミングしてデジタルに変換。デジタルフォント制作大手のモリサワ(大阪市)に協力を仰ぎ、修正を重ねた。現存しない文字は、全体の文字の特徴などを抽出して制作し、ひらがな75字、カタカナ80字など計176字の完成にこぎ着けた。今後は常用漢字のフォント化を目指して活動を継続する。
 発案者の一人、津田茉美さん(3年)は「丸みを帯びた味わいある文字が特徴。メニューや看板に使ってほしい」と話した。
 フォントは公式ウェブページでダウンロードできる。プロジェクトの概要を記した冊子と同フォントを使用した缶バッジとキーホルダーも制作。有人各駅や同線オンラインショップなどで配布・販売する。(天竜支局・垣内健吾)

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