ニホンアカガエル 早春の雨夜に神秘の産卵 静岡市内の生息地

 「キョッキョッキョッ…」。雨が降る早春の夜、静岡市葵区の山あいの田んぼに、ニホンアカガエルの小さな鳴き声が響き渡った。体色は黄土色から赤褐色。体長は雄が4、5センチで、雌が5~7センチ。目から後ろに伸びる背側線が直線的なのが特徴。普段は丘陵地の草地や森林で活動する。繁殖期は冬場。水が残る田んぼや池などの止水地がふもとにあることが、生息地の条件だ。

雌(下)に前肢でしがみつくニホンアカガエルの雄=2月15日
雌(下)に前肢でしがみつくニホンアカガエルの雄=2月15日
透明のゼリー状の膜で覆われたニホンアカガエルの卵=1月25日
透明のゼリー状の膜で覆われたニホンアカガエルの卵=1月25日
産卵するニホンアカガエルの雌(下)と雄=2月15日
産卵するニホンアカガエルの雌(下)と雄=2月15日
卵塊に連なるふ化したばかりのニホンアカガエルのオタマジャクシ=2月6日
卵塊に連なるふ化したばかりのニホンアカガエルのオタマジャクシ=2月6日
雌(下)に前肢でしがみつくニホンアカガエルの雄=2月15日
透明のゼリー状の膜で覆われたニホンアカガエルの卵=1月25日
産卵するニホンアカガエルの雌(下)と雄=2月15日
卵塊に連なるふ化したばかりのニホンアカガエルのオタマジャクシ=2月6日

 1月下旬ごろ~3月初旬ごろの比較的寒さが和らいだ雨の降る夜、越冬している土中などから出てきて繁殖する。繁殖を終えた個体は春眠をし、5月ごろから活動を再開するといわれている。
 鳥の鳴き声がやみ、辺りが静まりかえった夜、土中などから出てきた雄が草地に現れ、次々と水辺を目指す。水に飛び込んだ雄は、水中から顔を出し「キョッキョッキョッ…」と鳴き始め雌を待つ。
 鳴き声に誘われるかのように雌が水辺に現れると、雄はわれ先にと飛び付いて前肢でしがみつき、雌が卵を産むまで離れない。産卵場所が決まると、雌はおよそ2、3分かけて産卵し、出てきた卵に雄が精子をかける。
 1個体が一つの卵塊を産む。卵塊はややつぶれた球状で、中には透明のゼリー状の膜で覆われた小さな卵が500~3千個入っている。卵はおよそ2週間でふ化し、オタマジャクシで3カ月ほど過ごし、5~6月ごろ幼生に変態して山に帰っていく。

 <メモ>ニホンアカガエル 日本の固有種で、冬場に水が残る田んぼと山が隣接する場所などに生息する。体長は雄が4、5センチで、雌が5~7センチ。目から後ろに伸びる背側線が直線的なのが特徴。県自然史博物館ネットワークによると、県内では静岡市葵区、島田市、磐田市、掛川市、菊川市、牧之原市、浜松市北区、天竜区で生息が確認されている。特に大井川以東の地域では生息が危機的状況。

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