卒業生の制服、自動車用内装材に再利用 浜松開誠館高生徒が立案

 浜松開誠館高(浜松市中区)は1日、卒業生の制服を回収して再資源化する制服リサイクル事業を始めた。企業の協力を受け、制服を自動車用内装材として再利用する取り組みで、同校によると県内の高校では初めて。3日までの予定で、初日は約50着を回収した。

卒業式後に卒業生から制服を受け取る「SDGs部」の生徒=浜松市中区の浜松開誠館高
卒業式後に卒業生から制服を受け取る「SDGs部」の生徒=浜松市中区の浜松開誠館高

 国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の推進に向け、同校が本年度創設した「SDGs部」の部員3人が立案した。制服の生地はポリエステルなど石油由来の化学繊維を含むため、焼却せずに資源としてリサイクルして環境負荷低減を図る。
 部員が同校の制服を取り扱う制服製造販売のキンパラ(磐田市)に相談し、生地メーカーの日本毛織(大阪府)が再資源化に協力することが決まった。
 2月下旬に文書で卒業生に協力を呼び掛け、3月1日の卒業式後、卒業生らが次々と校内の回収コーナーに立ち寄った。制服を寄贈した西條裕太さん(18)は「思い出が詰まった制服が資源として循環されるのはうれしい」と話した。
 事業リーダーを務めた2年の坂原星華さん(17)は「先輩たちが賛同してくれてありがたい。身の回りからリサイクルを始めようという機運が高まれば」と期待した。

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