アーケード撤去の沼津・新仲見世商店街 次代へ空間再編に奮闘

 沼津市の新仲見世商店街がアーケード撤去後の空間再編に向けたプロジェクト「next SHINNAKA(ネクスト シンナカ)」を進めている。同商店街の井草雅彦会長は「自然と人が集まる、居心地の良い空間をつくりたい」と意気込み、約50年ぶりに現れた空の下、次代にふさわしい商店街をつくろうと奮闘している。

空間再編の一環としてLED化された街灯の点灯式。アーケードが撤去され、空が見えるようになった=沼津市の新仲見世商店街
空間再編の一環としてLED化された街灯の点灯式。アーケードが撤去され、空が見えるようになった=沼津市の新仲見世商店街

 >老朽化のアーケード撤去(2020年6月)
 同商店街は昨年6月に老朽化したアーケードの撤去工事を始め、同10月に完了した。空間再編のコンセプトは、歩行者専用道路の強みを生かす▽イベントがしやすい環境整備▽雰囲気や一体感を重視-の三つ。通路にベンチやテーブルを置いたり、店舗の外観に統一感を持たせたりしようと計画している。
 井草会長によると、アーケード撤去は当初、費用負担の大きさから進展しなかったが、遊休不動産を活用する市の取り組み「リノベーションまちづくり」が決断を後押しした。商店街の空き店舗にも入居者が現れ、リノベーションの成果を間近に感じたことで、商店街全体の空間再編に希望を抱いたという。
 1月下旬には街灯14基のLED化が完了し、会員らが見守る中で点灯式が行われた。今後は必要な資金を補うためのクラウドファンディングに挑戦する一方、市による道路改良も進められるという。井草会長は「商店街に新たな光がともった。これは第一歩で、次世代に『これからの景色』を残すために尽力していく」と話した。

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