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浜松まつり、凧揚げのみ「縮小開催」決定 感染状況で全面中止も

(2021/1/23 07:20)
2021年浜松まつり 開催のポイント
2021年浜松まつり 開催のポイント
浜松まつりで使う大凧の注文に備えて骨組みを準備する伊藤友岐さん(右)=22日午後、浜松市中区の伊藤さん家の凧工房
浜松まつりで使う大凧の注文に備えて骨組みを準備する伊藤友岐さん(右)=22日午後、浜松市中区の伊藤さん家の凧工房

 浜松市や浜松商工会議所でつくる浜松まつり組織委員会は22日、市役所で会合を開き、今年5月の祭りは新型コロナウイルスの感染防止のため、夜の御殿屋台の引き回しを中止し、昼の凧(たこ)揚げだけに規模を縮小して開催する方針を正式に決めた。ただ、市内や全国各地の感染状況次第では全面中止する。鈴木康友市長は11都府県に緊急事態宣言が出されている現状を踏まえ「今のような状況なら開催できない」との見方を示した。
  ▶感染者数市町別内訳・マップ
 同市の直近1週間の人口10万人当たり新規感染者数は6・50人(20日現在)。国が示す感染状況分類の中で、イベント開催の見直しを求める「ステージ3」(感染急増)基準の15人を下回っているため、組織委は開催に向けて準備する方針を決めた。鈴木市長は「浜松がステージ3に至らないのが大前提。全国的な状況をみて総合的に判断する」と強調した。東京五輪の動向なども注視する。
 会合後、鈴木市長と記者会見した組織委の広野篤男代表委員長は、参加174町関係者の意見を聞く中で「凧揚げだけでもやってほしいとの声が多く、浜松まつりの伝統を絶やさないようにした」と開催理由を述べた。一方、現時点で5月までの感染状況の推移は見通せないとし「最終的な可否の決定時期は今後も調整する」と説明した。
 実際に開催しても、感染を防ぐため屋台の引き回しに加え激練りは中止する。凧揚げは5月1~5日の間に参加町を分散して無観客で行い、糸切り合戦、ラッパ・笛の使用、飲酒を禁止する。準備期間などに参加者が集まる会場では、利用者の名簿管理の徹底や飲食禁止を求める。同委は順守事項をまとめ、参加町に通知する。

 ■規模縮小「仕方ない」 参加予定者ら慎重意見に理解
 激練りもラッパも屋台も中止、飲酒禁止…。新型コロナウイルスの感染防止策を踏まえ、昼の凧(たこ)揚げだけという大幅縮小での開催が決まった浜松まつり。22日、浜松市内の参加予定者などからは2年ぶりの開催への喜びとともに、「本当に大丈夫なのか」と感染拡大を不安視する市民感情に配慮した声も聞かれた。
 「うれしいけど、祭りに慎重な人の気持ちも分かるので複雑」。大凧を製作する同市中区の「伊藤さん家の凧工房」の社長伊藤友岐さん(39)が胸中を明かした。例年は1月から凧の注文が入るが、今年はまだ無い。開催決定を受け、すぐにでも対応できるよう骨組みの準備を進める。
 中止が決まった御殿屋台などの夜の部は、祭り参加者が初子の家で飲食の振る舞いを受けるのが恒例。孫の初子祝いを予定する中区の原野俊郎さん(69)は「昼も夜も祝いたかったが、仕方ない。決められたルールの中で凧揚げだけでも楽しめたらいい」と話す。
 参加町の凧印などをプリントしたまんじゅうが人気の菓子店「秋芳堂」(同区)。藤本桂専務取締役は「大打撃だが仕方ない。この状況で祭りをやるのかという市民もいると思う」と冷静に語った。
 感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫院長補佐は凧揚げの際に「屋外でも飛沫(ひまつ)に暴露すれば感染する。マスクの着用や手指消毒は必ずしてほしい」と呼び掛ける。高齢者に向けては、祭り前に始まるとされるワクチン接種を積極的に行うよう求めた。

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