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浜名湖カキ、不漁深刻 「例年の1割」 猛暑や水温乱高下一因か

(2020/12/16 19:40)
出荷に向け、水揚げしたカキを殻むきする養殖業者。浜名湖の特産だが、2年連続の記録的不漁に直面している=11月中旬、浜松市西区
出荷に向け、水揚げしたカキを殻むきする養殖業者。浜名湖の特産だが、2年連続の記録的不漁に直面している=11月中旬、浜松市西区

 観光客に人気の浜名湖特産養殖カキの不漁が深刻化している。今期(2020年11月~21年4月)の出荷が12月に入って本格的に始まったが、水揚げは関係者の間で「50年に一度の大不漁」とも言われた前期(19年11月~20年4月)をさらに下回っている。夏場の猛暑や水温乱高下などが一因とみられ、コロナ禍による客足減少も重なり観光面への影響が一層懸念される。
 「前期の水揚げは例年の2~3割で、今期はこれまで1割前後の水準。40年近くカキを養殖しているが、ここまで少ないのは初めて」。2年連続の記録的不漁に舞阪町養かき組合(浜松市西区)の堀内昇組合長は表情をくもらせた。秋の高温で出荷が遅れ、身も小ぶりだったが、堀内組合長は「水温が下がり始めた。残りのカキを大きく育てて挽回したい」と力を込める。
 浜松市中央卸売市場(南区)の水産会社によると、浜名湖産カキの取扱量は前期序盤、例年の約5分の1に落ち込み、12月は1日当たり120~130キロ。今年の12月は同80~90キロとさらに少なく、コロナ禍で飲食店需要が落ち込んでいるにもかかわらず、取引価格は例年より3割前後高いという。
 不漁の原因は分かっていないが、静岡県水産・海洋技術研究所浜名湖分場(西区)の今中園実主査は「夏の水温が上がり、秋以降も黒潮の影響で水温変化が激しくなっている」と指摘する。黒潮の大蛇行が続いた近年は、枝分かれした温かい海水が汽水湖の浜名湖に流れ込み、前日より水温が一気に2~3度上がる日が増えた。猛暑と水温の乱高下でカキが弱り、大量死した可能性があるという。
 浜名湖のカキ養殖は約1年半かけて育てる。近年はクロダイによる食害も広がったため、養殖業者は稚貝を網で囲う新たな対策を始めた。来年秋以降に出荷する稚貝は生育が順調で、水揚げの増加を期待する。

 ■誘客キャンペーン短縮も
 国の観光振興策「Go To トラベル」一時停止の影響が広がる中、「冬の味覚」のカキが不漁に見舞われ、浜名湖周辺の観光地は気をもんでいる。栄養豊富で肉厚な身と濃厚な味わいが特徴のマガキを利用し、誘客キャンペーンを展開するが、期間短縮を覚悟する声が漏れ始めた。
 浜松市では西区の舘山寺温泉などで12月から、ご当地グルメ「牡蠣カバ丼」を販売している。15店舗が来年3月中旬までの提供を予定するが、同温泉観光協会は「カキが手に入りにくいため、店によって終了が早まる可能性がある」とする。
 湖西市の新居町観光協会は1月9日から3月末まで、恒例のカキ小屋を開設する予定。昨年度は入手困難になり、営業終了を3月1日に前倒しした。担当者は「本年度はさらにカキの供給が厳しいと聞いている」と不安をのぞかせる。

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