旧家の屋敷を憩いの茶屋に 米国人女性が改装 島田・川根笹間

 島田市川根町笹間地区で古民家の再生に取り組みながら暮らす米国人シェリー・クラークさん(55)が今秋、自宅の一部を改装して週末限定の茶屋「蛍」をオープンした。広大な敷地と趣ある建物を生かした民泊も開始し、静かな山村に観光客を呼び込もうと奮闘している。

昭和レトロな雰囲気の茶屋に生まれ変わった離れで地域住民と談笑するシェリー・クラークさん(右から3人目)
昭和レトロな雰囲気の茶屋に生まれ変わった離れで地域住民と談笑するシェリー・クラークさん(右から3人目)
週末限定の茶屋を開業した離れ(手前)。奥はクラークさんが暮らす母屋=11月、島田市川根町笹間上
週末限定の茶屋を開業した離れ(手前)。奥はクラークさんが暮らす母屋=11月、島田市川根町笹間上
昭和レトロな雰囲気の茶屋に生まれ変わった離れで地域住民と談笑するシェリー・クラークさん(右から3人目)
週末限定の茶屋を開業した離れ(手前)。奥はクラークさんが暮らす母屋=11月、島田市川根町笹間上

 クラークさんが暮らすのは名主として集落を治めた岡村家の屋敷で、1602年の古文書も残されている。1950年代築とみられる母屋や納屋、蔵など10棟があり、茶屋に変身したのは8畳2間の離れ。鉄の装飾など当時の建具を残しつつ、押し入れ部分をカウンターにするなど大胆に改装した。
 「テーマは昭和の懐かしさ」(クラークさん)といい、蔵に眠っていた調度品や家具、クラークさんが購入したレトロな家電製品などが並ぶ。運営に地元住民も加わり、ゆったりした空間で地元産の煎茶やコーヒー、マフィンなどを提供する。
 水産資源管理の研究者であるクラークさんは15年前、笹間地区の雰囲気を気に入り移住した。家主が他界し損傷も激しかった屋敷を4年前に購入し、改修を少しずつ進めてきた。民泊は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、口コミで県内外から来客があるという。茶屋の運営を手伝う沢本ひろ子さん(73)は「クラークさんの人柄のおかげ。いろんな人が来てくれて刺激になる」と話す。
 屋敷の復元の様子や笹間地区の歴史、魅力についてホームページで発信するクラークさんは「この場所を地域の宝として多くの人に知ってほしい」と話している。茶屋「蛍」は毎週土曜日午前10時から午後4時まで。

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