映像や客席、大胆演出 劇場模索「閉塞感に風穴」 静岡県内
(2020/11/18 19:30)-
新型コロナウイルス禍の影響が続く静岡県内の劇場で、公演再開に向けた稽古が手探りで進んでいる。演劇人は感染防止対策に気を配りながら、遊び心のある演出や明るいテーマで息苦しい、閉塞(へいそく)状況に風穴をあけようと奮闘している。
藤枝市に拠点を置く劇団ユニークポイントは、20~23日に「ホテルロンドン」を“上映”する。劇場には、12席に区切られたリング状のテーブルを設営し、手元のタブレットで殺人事件に関する登場人物の証言映像を流す。劇団主宰の山田裕幸さん(49)が「席ごとに証言者は違う。空いている席から好きなように見て」と説明する大胆な仕組みだ。
観客は3分ほどの映像を見たら別の席へ。入場人数を6人に絞る公演を繰り返す。「生身の役者はいないが、まずは劇場に足を運んでもらうところから」と8カ月ぶりに観客を迎える。
静岡市民文化会館で大型公演を定期的に上演するラウドヒル計画は、来年3月に新作を組む。静岡を舞台にした作品を手掛けてきた総監督の勝山康晴さん(49)は「再び明るい日常が取り戻せるように」と安倍川花火大会を題材に脚本を書く。
会館ホールでの稽古には県内各地から有志が集う。「『集まらない』ことに日本中が慣れてしまっている」との危機感を忘れない一方、参加を控えるメンバーの意志も尊重する。
同会館では20日、同市出身の谷本進さん(48)が7年ぶりとなる一人芝居を上演する。これまでもリーマン・ショックや東日本大震災に向き合う作品を届けてきた社会派俳優。「つらい時は全力の舞台を見てほしい。演じる方も見る方も力をもらうはず」と気持ちを込める。
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