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おもちゃメーカーが学童保育に参入 生の声、開発の力に 浜松

(2020/11/17 21:00)
巣ごもり需要増も捉え、新開発した知育玩具の販売戦略などを社員と練る宮地完登社長(右)=10月下旬、浜松市東区のシャオール
巣ごもり需要増も捉え、新開発した知育玩具の販売戦略などを社員と練る宮地完登社長(右)=10月下旬、浜松市東区のシャオール

 ユニークな知育玩具の開発に力を注ぐ浜松市東区の玩具メーカー「シャオール」が今春、共働き世帯の増加などで市内でも受け入れ不足が起きている学童保育事業に参入した。地元への貢献とともに知育玩具のユーザーの視点に一層近づき、そこで得られた情報を玩具開発に還元する。コロナ禍で巣ごもり需要が高まる中、競合が激化する玩具業界での生き残りを図る。
 シャオールは2013年に設立した。社員24人でキャラクター玩具のOEM(相手先ブランドによる製造)に加え、知育玩具の開発を続けてきた。放課後学童保育「スマイルスクール」は、同区半田山の本社近くに定員25人で開設した。学校が再開した夏場以降、主に近隣3小学校の児童が本格的に利用している。
 欧州発の玩具を多数置き、母親が未就学児も連れて気軽に遊べる空間にした。サークル活動の場としての利活用を念頭に置く。宮地完登社長(42)は「施設で使ってもらうことが当社の開発の『気付き』につながる。地域に必要とされ、一緒に成長するメーカーでありたい」と考える。
 少子化が進む中、国内市場規模は14~19年度の6年連続で8千億円を超えるなど、玩具業界は堅調な売り上げを維持している。それでも、遊び方や購入年齢層の多様化、オンラインの加速など需要や購入方法の変化は目まぐるしい。大手玩具チェーン「トイザらス浜松店」が年明けに閉店する浜松でも商況の変化や競争の激化が予想され、同社は付加価値が高い自社商品の開発を加速させている。
 乳児用の軟らかいボールシリーズでは新たな動物・果実柄を次々と発表し、自由な発想で組み立てられる大型パズルは10月に雪バージョンを発売した。全商品約30種のパッケージは近日中に一新する。オンライン販売も重視し、ホームページは大きく刷新する。
 知育玩具という特性上、多くを雑貨店や書店に並べるのが同社の特長。宮地社長は「消費者の選択の目は一層厳しくなる。独自性を追求して消費者に伝え、『共感』を得られるようにしたい」と話す。

 ■競争激化、大型店も撤退
 浜松市では、中区の商業施設ザザシティ浜松西館で20年間営業してきた「トイザらス浜松店」が来年1月6日で閉店する。中心街のにぎわい創出に一役買ってきた看板テナントの撤退は、郊外を中心に大型販売店が多い浜松ならではの商況も影響したとみられる。
 県内で計4店舗を営業する日本トイザらス(川崎市)は浜松店の閉店理由を契約満了のためとし、「店舗状況や市場環境、顧客ニーズなどを総合的に検討した結果」と説明するが、市内の業界関係者は「近年は駅周辺や郊外の家電量販店でも玩具を扱い、競合他社は急増した。影響はある」と分析する。
 オンライン購入が増え続ける中、同社は近年「サイト機能の充実を図り、実店舗と同等の情報とサポートに注力してきた」(広報担当)という。そうした営業戦略も、大型店舗に位置付けてきた浜松店の閉店につながった可能性はありそうだ。

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