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西伊豆・田子の潮かつお継承に若い力 19歳、懸命につるし干し

(2020/11/16 17:00)
芹沢安久副代表(左)の指導を受けながら潮かつおの製造に奮闘する白川圭さん=16日午前、西伊豆町田子
芹沢安久副代表(左)の指導を受けながら潮かつおの製造に奮闘する白川圭さん=16日午前、西伊豆町田子
竹ざおにつるされた潮かつお。正月に向け、500本が出荷される
竹ざおにつるされた潮かつお。正月に向け、500本が出荷される

 「地元の伝統を受け継いでいきたい-」。西伊豆町田子地区に伝わる保存食「潮かつお」の生産が最盛期を迎えた。1882(明治15)年創業の「カネサ鰹節商店」で16日に行われたつるし干し作業には、ことし高校を卒業したばかりの新人が加わった。同地区で生まれ育った白川圭さん(19)。生産者の高齢化が進む中、周囲は若い担い手の参入を歓迎し、技術継承への期待を寄せる。
 白川さんは小学生時代に同社の工場を見学し、潮かつお生産に興味を持ったという。「地域の伝統を受け継ぎ、守り抜いている人たちの姿が輝いて見えた」と当時を振り返る。下田高(下田市)に在学していた昨年に同社でアルバイトを始め、現場で働きながら入社の決意を固めた。
 この日は60~70代の従業員とともに、塩漬けにしておいたカツオを水で洗い、陰干しする作業に汗を流した。「アルバイトの時とは違い、責任感がある。仕事を早く覚えて一人前になりたい」と黙々と手を動かした。
 潮かつおの起源はカツオを年貢として朝廷に納めていた奈良時代とされる。かつては県内外の漁村で作られていたという。今では正月に潮かつおにわら飾りを付けて玄関につるす文化が残る同地区が、全国で唯一、生産を続けている。
 同社の芹沢安久副代表(52)は「伝統をさらに受け継いでいくには若い力が必要。(白川さんには)未来の潮かつお生産の柱になる人材に成長してほしい」と願いを込める。

 ■正月に向け500本
 16日に西伊豆町田子の老舗「カネサ鰹節商店」で行われた伝統保存食「潮かつお」のつるし干し作業。竹ざおにつるしたカツオは3週間ほど西風にさらして乾燥させ、出荷に備える。
 カツオは太平洋沖で一本釣りした体長60~80センチ、重さ2~3キロのものを使用した。潮かつおは「正月魚(しょうがつよ)」と呼ばれる新年の縁起物で、同店は毎年、受注生産して全国に発送する。ことしの注文は例年並みという。約500本を生産し、12月上旬ごろから出荷を始める。

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