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マニアもうなる岳南電車「攻め」企画 運転士専属案内、車内泊…

(2020/11/11 18:00)
運転士からマンツーマンで電気機関車の解説を受ける鉄道ファン(右)=1日、富士市の岳南富士岡駅
運転士からマンツーマンで電気機関車の解説を受ける鉄道ファン(右)=1日、富士市の岳南富士岡駅

 新型コロナウイルスの影響による乗客数の落ち込みで全国の地方鉄道が危機に陥る中、富士市の「岳南電車」(通称・岳鉄)が、鉄道マニアもうなる攻めのイベントや、グッズ販売で危機脱却を目指している。SNSを活用した情報発信で全国の鉄道ファンを引きつけている。
 「秋の岳南電車まつり月間」が始まった11月1日、岳南富士岡駅には、1927(昭和2)年製造の電気機関車「ED501」などを目当てに関東や東海地方のファンが集まった。運転士発案の「岳鉄機関車ガイド極」(参加費5千円)は、乗務歴約30年の運転士が約30分間、付きっきりで機関室や運転室を案内し、触り放題、撮り放題。定員いっぱいの盛況だった。初めて岳鉄に乗車した愛知県の男性会社員(34)は「運転士さんを独り占めできるぜいたくな体験。岳鉄ファンになった」と再訪を誓った。
 同社は感染症対策とイベント両立のため、通常は2日間の同まつりを1カ月間に設定し、少人数で高付加価値の体験を複数回開催する。期間中は親子向け以外に新たに三つの「大人限定企画」を用意した。終電後の吉原駅ホームの電車に泊まる「ナイトステイホーム」は参加費1万円という高めの料金設定ながら反響は大きく、日程を追加した。
 工場夜景を楽しむ岳鉄名物「夜景電車」は、料金を上げた全席指定の貸切列車「ナイトビュープレミアムトレイン」の人気が定着して増便を図る。急きょ5月に開設したオンラインストアもコーヒーなど新商品を投入し、5月は前年平均の4倍を売り上げるなど成果が出ている。
 参加者の獲得など各種展開を支えるのが公式ツイッター「岳ちゃん」。こまめな投稿や返信で全国の鉄道ファンを獲得し、昨年春の開設からフォロワーは1万4千人(10月末時点)を超えた。鉄道好きのツイッター担当竹村優一郎さん(26)は「岳南電車の魅力とともに、親しみやすさが伝われば」と話す。

 <メモ>岳南電車 富士市の吉原駅から市東部の岳南江尾駅をつなぐ計10駅約9・2キロの地方鉄道。主力だった貨物輸送が2011年度末に廃止され、一時は経営危機に立たされた。全駅から富士山が見え、鉄道初の日本夜景遺産に登録された。新型コロナに伴う外出自粛でことし5月の乗降客数は前年同月比4割まで落ち込み、10月末時点での累計乗客数は前年の6割程度で推移する。同社は、周辺飲食店での割引サービスなどによる地域連携も進めている。
 

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