静岡新聞NEWS

コロナ乗り越え、演奏再び 熱海のバンドリーダー、中傷に苦悩

(2020/10/22 17:02)
新型コロナウイルス感染から復帰し、ギターの練習に励む田村公平さん=20日、熱海市
新型コロナウイルス感染から復帰し、ギターの練習に励む田村公平さん=20日、熱海市

 新型コロナウイルスに感染し、長い入院生活を送った男性が4カ月ぶりにステージに帰ってくる。熱海市を拠点に活動するシニアバンド「ジーバーズ」のリーダー、田村公平さん(66)。感染者への誹謗(ひぼう)中傷が社会問題になっている中、メンバーやファンの励ましに支えられて復帰にこぎ着けた。その感謝の思いを届けたいと意気込む。
 ジーバーズは新型コロナの感染リスクが低い環境で音楽を楽しんでもらおうと、6月下旬、車に乗ったまま生演奏が聴ける「ドライブインコンサート」を同市の旧小嵐中グラウンドで開き、多くのファンから好評を得た。
 しかし7月下旬、田村さんは同市の音楽カフェで発生したクラスター(感染者集団)の1人になり、入院加療した。市内では発生場所や感染者に関する臆測が飛び交った。他の人より発症が早かった田村さんは「私が感染源の人物を東京から連れてきたという誤った情報が流れた。誰も訂正してくれないし、非常に傷ついた」と振り返る。
 入院生活は47日間にも及んだ。無症状だが、PCR検査を何度やっても陰性と陽性を繰り返す日々。折れかけた心を支えたのはメンバーだった。ギターの大久保隆司さん(71)は「(コロナによる肺炎で亡くなった)同世代の志村けんさんのことが頭をよぎり、心配で仕方なかった。毎日LINEを送って励ました。帰ってきてくれて本当に良かった」と語る。ジーバーズのファンからも復帰を待ち望むメッセージが寄せられた。
 地域を元気にしようと音楽活動を続けてきた田村さんは、「本当にありがたかった。自分が勇気づけられた」と語る。だが、「退院後も人から避けられていて悲しい。これは感染経験者の共通の悩みだと思う。つらい思いをしている人を差別せず、温かい言葉をかけてあげてほしい。誰でも感染する可能性があるのだから」と訴える。

 ■25日にドライブインコンサート
 熱海市のシニアバンド「ジーバーズ」は25日午後1~3時、新型コロナウイルス感染対策を講じた「ドライブインコンサート」を同市の旧小嵐中グラウンドで開く。入場無料。
 車内で映画を観賞する「ドライブインシアター」のように、来場者がグラウンドに車で乗り入れて、窓を開けてバンドの生演奏を楽しむ。ジーバーズのほか、市内外の歌手やバンドなど4組が出演し、歌謡曲、フォーク、演歌など幅広い楽曲を披露する。雨天時は11月1日に延期する。

静岡暮らし・話題の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿