南アルプス生育、絶滅危惧種 タカネマンテマ種子発芽確認 磐田農高生が挑戦

 静岡県から「ふじのくに生物多様性地域戦略推進パートナー」に委嘱されている磐田農業高(磐田市中泉)で、南アルプスに生育する国、県指定の絶滅危惧種「タカネマンテマ」の種子の発芽が確認された。

タカネマンテマの種子増殖に挑戦している生徒=磐田市の磐田農高
タカネマンテマの種子増殖に挑戦している生徒=磐田市の磐田農高
絶滅危惧種に指定されているタカネマンテマ(県提供)
絶滅危惧種に指定されているタカネマンテマ(県提供)
発芽したタカネマンテマ
発芽したタカネマンテマ
タカネマンテマの種子増殖に挑戦している生徒=磐田市の磐田農高
絶滅危惧種に指定されているタカネマンテマ(県提供)
発芽したタカネマンテマ

 生産科学科2年の41人が、授業の一環でタカネマンテマの種子増殖プロジェクトに取り組んでいる。県内の南アルプスで採取された種を9月中旬にまき、温度が20度に保たれたインキュベーター内で発芽を促した。12株の発芽に成功した。
 タカネマンテマの種子増殖は北岳で採取され冷蔵保存した種子からは成功しているが、生育の南限である本県の種子では発芽以降の開花、結実まで成功した例はない。プロジェクトメンバーの瀧裕喜さん(17)は「変化していく成長過程が楽しみ。ぜひ成功させたい」と話した。
 発芽した株は10月中に土に移し替え、徐々に外気に慣れるように段階を経て管理していく。発芽率を高めるために追加の播種(はしゅ)も検討する。
 
 <メモ>タカネマンテマ 国内では南アルプスの限られた地域に生育する高山植物。5~20センチの多年草で、釣り鐘状の膨らみの先に小さな花を咲かせる。国、県指定の絶滅危惧種。近年、盗掘などにより激減している。

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