災害時支援やコロナ対策で地域活動 浜松医科大のサークル

 浜松医科大(浜松市東区)の災害支援サークル「ルーチェ」が浜松北地域まちづくり協議会と連携し、地域住民向けに避難所運営訓練など災害時の対応を伝える活動に取り組んでいる。新型コロナウイルスの感染が流行する今年は感染対策講習会を開くなど、社会の実情に合わせて医大生ならでは活動を取り入れて力を発揮する。

新型コロナウイルスの正しい知識や予防法を伝える医大生=3日、浜松市東区の浜松医科大
新型コロナウイルスの正しい知識や予防法を伝える医大生=3日、浜松市東区の浜松医科大

 東日本大震災をきっかけに2011年10月に発足したルーチェは、学内でのボランティアセンター立ち上げ訓練や地域の避難所運営訓練を行ってきた。医療の専門知識を学ぶ学生として、負傷者の治療優先順位を決めるトリアージや、災害時に起こりうるエコノミー症候群、クラッシュ症候群などの予防方法も紹介している。
 10月3日には、同大でコロナ対策講習会を開催。コロナのさまざまな情報が錯綜(さくそう)し、誤った感染対策が散見される現状を目にしたメンバーが「正しい知識、予防法を知り、正しく恐れることが必要」と企画した。
 同大付属病院感染対策室の医師や看護師の協力を受け、市民約60人にコロナの感染性やPCR検査の正確性などを分かりやすく説明した。実践を交えて手洗いのポイントやマスクの正しい着用方法も発信。同市北区の参加者(68)は「市民レベルに合わせた分かりやすい内容だった。学んだ知識を市民で広めることが大切」と話した。
 医学科3年の武藤誠彦代表(21)は「コロナについて医療者側が市民に発信する機会は少ない。自分たちが少しでも貢献できれば」と思いを語る。11月には都田小(同市北区)で、コロナの感染対策を取り入れた避難所運営を考える研修会を実施する予定だ。
 浜松北地域まちづくり協議会の波多野千津子会長(72)は「学生が地域に入り込んで活動することは、地域の現状を知るいい機会。将来医師になる上でもいい経験になるはず」と期待する。

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