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社会との接点守りたい…高齢者の活動、再開へ模索 静岡県内

(2020/9/21 11:37)
半年ぶりに開かれた認知症予防の集い「いいとこカフェ・ふらっと」。ボランティアらが高齢者活動の再開へ知恵を絞る=9月上旬、静岡市葵区の西部生涯学習センター
半年ぶりに開かれた認知症予防の集い「いいとこカフェ・ふらっと」。ボランティアらが高齢者活動の再開へ知恵を絞る=9月上旬、静岡市葵区の西部生涯学習センター

 新型コロナウイルスの影響で一時休止となっていた高齢者らが集う公民館や「通いの場」の活動が、静岡県内でも再開しつつある。自粛生活でお年寄りの心身が弱り、認知症やフレイル(虚弱)につながらないように、ボランティアや行政が感染対策をした上での運営に知恵を絞る。
 「半年ぶりですね。皆さん、お元気でしたか」。9月上旬、静岡市葵区の西部生涯学習センターで開かれた認知症予防の集い「いいとこカフェ・ふらっと」。ボランティア代表の菊地広賜さん(56)は地元高齢者ら10人に元気よく語り掛けながら、童歌でリズムを取って手足を動かす体操を紹介した。「有酸素運動が認知症予防には効果的。コロナに気を付けつつ、1日1回は体を温めて」
 お年寄りたちは「久しぶりに顔が見られてうれしい」「家に引っ込みがちだったから、とても楽しかった」と笑顔を見せた。ただ、菊地さんは参加者が休止前の3分の1だったことに触れて「来られなかった人が心配。運営方法もまだ手探り状態」とこぼした。
 同センターでは、4月に利用した高齢者2人の新型コロナウイルス感染が判明。その後、市内の他の生涯学習施設と同様、中止していた集会室等の貸し出しを6月上旬から再開したが、利用者は以前の5割程度という。福地篤センター長は「感染リスクをゼロにはできないが、高齢者と社会の接点を断つマイナスは大きい」と語り、市のマニュアルに沿って利用者一人一人の健康状態に目配りした取り組みを続ける。
 掛川市の公会堂などで体操を通じた「通いの場」を提供してきた住民グループ「茶ちゃっとサポート隊」も模索を続ける。今は同市が主催する介護予防事業に協力するほか、県の支援でオンラインの体操教室も開いた。メンバーの池田正也さん(73)は「会場に集まる活動とともに、オンラインの可能性も探りたい」と意気込む。
 県立大の木村綾講師(地域福祉)は「高齢者の孤立や病気などを防ぐために、人が直接交わる活動を再開する必要性は高い」とした上で、「オンラインなどの新たな取り組みにより、これまで地域や社会と離れていた高齢者がつながりを持つことも期待できる」と指摘する。

 <メモ>公民館は地域住民の社会教育を推進する施設で、近年は生涯学習拠点の一つとしても幅広く活用され、高齢者の利用も多い。また、通いの場は住民が運営主体で毎月活動し、高齢者らの介護予防に貢献していると自治体が判断した取り組み。認知症予防や趣味の活動体操、茶話会などが対象で、行政の財政的支援がない活動も含まれる。県健康増進課によると、県内では2018年度時点で全市町の3304カ所で運営され、県内の高齢者人口の6・5%に当たる約6万9900人が参加する。

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