静大4機目衛星 完成年内も困難 コロナ禍で作業学生集まれず
(2020/8/20 17:00)-
新型コロナウイルスの感染収束が見通せない中、静岡大4機目の超小型人工衛星開発がピンチに陥っている。計画が明らかになった2019年秋は同年度中の完成を目指していたが、現在は20年中でさえも難しい状況という。衛星は1辺10センチの立方体に多数の配線が詰まる複雑な構造。開発舞台の同大浜松キャンパスはコロナ禍で関係者が集まりにくく、「作業は非常に困難」とため息が漏れる。
「計画発表時に比べてかなり厳しい状況。いい情報でなくて恐縮だが-」。7月下旬、開発を主導する同大工学部の能見公博教授が大幅な遅れに、悔しさをにじませた。
新衛星は、地上と宇宙ステーションをケーブルで結ぶ「宇宙エレベーター」構想を見据えて同学部が開発した「てんりゅう」(STARS-Me)の後継機。「STARS-Me2」(スターズミーツー)と命名された。予定している実証実験は、内部に収めた金属テープを宇宙空間で展開し、テープ上で小型昇降機が移動する。その昇降機に搭載したカメラの映像で動作を確認していく内容だ。
機体の強度向上を狙い、今回の計画ではアルミの塊から削り出す一体型のフレーム(枠)を作る。難易度が高く、綿密な打ち合わせが必要だが、同学部は4月下旬から、コロナ対策でオンライン授業が中心になった。対面で、議論を交わしながら開発、試作を進めるのには困難な状況が続く。
フレーム作りに協力する愛知県碧南市の「石敏鐵工」の石川実良社長は「超小型衛星もものづくり。作って検証する過程がなくては完成のめどを立てにくい」と現状を語る。
同大の衛星は現在、てんりゅうと星空観測などを担う「あおい」が宇宙空間を周回中だが、運用作業は主に浜松キャンパスの学生が担っているため、休止状態という。運用に携わる学生の一人は「運用どころか、新勧(新規に携わる学生を探す活動)も全くできていない」と悩みを打ち明けた。
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