糖質オフの商品拡充 はごろもフーズ「ロカボブーム」追い風

 はごろもフーズは消費者の健康志向に対応した商品展開を強化する。糖質を抑制した商品ブランド「CarbOFF(カーボフ)」シリーズを軸に、ラインアップを拡充。生活習慣病への認識の広がりや糖質制限ダイエットブームを追い風に、顧客層の拡大を図る。

はごろもフーズが展開する低糖質ブランドの商品群=静岡市清水区のはごろもイノベーションセンター
はごろもフーズが展開する低糖質ブランドの商品群=静岡市清水区のはごろもイノベーションセンター

 糖質を通常よりも抑えたカーボフシリーズから、ホワイトソースのグラタン、ショートパスタのペンネの2商品を24日、発売する。いずれも「食べ応えとおいしさを追求した製品」(開発担当者)で、2017年にロングパスタ2商品で始まった同シリーズは計9商品に拡大する。
 健康を前面に打ち出した商品展開には、顧客層を多様化させる狙いもある。18年に発売したオイル不使用シーチキンは主要顧客が30代以上の主婦から健康志向の若者や高齢者ら幅広い世代に広がってきた。本格的な筋力アップに励む人からの支持も厚いという。
 20年3月期の売上高は、ツナ製品がオイル不使用シーチキンの伸長で8・2%増。パスタ・ソース製品は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり需要も寄与してカーボフシリーズを含むパスタが伸び、8・9%増と好調だった。
 同社は「シーチキン以外の製品群をどう伸ばすかが課題。カーボフシリーズは一つの切り口として力を入れていく」(広報担当者)としている。

 <メモ>調査会社の富士経済(東京)によると、2019年の糖質を制限した食品・飲料などの糖質オフ・ゼロ市場は前年比2・8%増の3612億円に上り、今後も伸びが見込まれるとしている。背景には、生活習慣病予防やダイエットに向けて糖質制限を習慣化する「ロカボブーム」がある。市場の9割以上をアルコール飲料が占めているが、食品分野でも健康訴求を強めた商品展開が増えている。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞