駿府城公園「やすらぎの塔」 市民団体、復元求め署名提出
静岡市葵区の駿府城公園内に戦没学徒慰霊のために建立され、地震で一部が破損して撤去されたままになっている「やすらぎの塔」を巡り、復元を求める市民団体が11日、賛同する市民ら2850人分の署名を田辺信宏市長に提出した。受け取った田辺市長は復元する方針を団体側に伝えた。
提出したのは「やすらぎの塔復元を求める会」(大石久雄代表)。塔を復元し戦没学徒の慰霊につなげようと2018年から署名活動を行っていて、19年に復元を求める要望書を市に提出した。
市役所静岡庁舎を訪れた大石代表は「戦争の生き証人が少なくなる中、像は“物言わぬ語り部”」と重要性を強調した。田辺市長は「(進行中の)駿府城公園の再整備計画に乗せる予定」との考えを明らかにした。
塔は1958年に自民党県連と、塔の建設委員会が中心になって建立し、60年に市に寄贈。高さ5メートルの台座の上に学徒2人の像が立っていた。
2001年の地震で頭部が破損したため市は台座を残して撤去した。像は分割して市が保管している。