夜の街、クラスター影響深刻 人出4~5割減も 静岡、浜松両市

 新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が静岡県内各地で相次いで確認される中、静岡や浜松市で夜の繁華街の人出が7月末以降、感染者の再拡大前の同月上旬と比べ4~5割程減ったことが6日、民間情報会社のデータを基にした分析で分かった。立地する各店舗はお盆帰省も見据えた感染対策を続けるが、関係者からは「街中から人が消えた」など不安や戸惑いの声が多く聞かれた。

午後7時台にもかかわらず、人通りがまばらな繁華街の通り=6日、静岡市
午後7時台にもかかわらず、人通りがまばらな繁華街の通り=6日、静岡市
静岡県内繁華街の夜の人出増減率
静岡県内繁華街の夜の人出増減率
午後7時台にもかかわらず、人通りがまばらな繁華街の通り=6日、静岡市
静岡県内繁華街の夜の人出増減率

 調査はスマートフォンの位置情報解析などを行うクロスロケーションズ(東京)の速報推計値を基に、静岡新聞社が分析。県内の繁華街でクラスターが発生する直前2週間の夜間(午後7時~午前0時)の人出と、発生後の増減率を比べた。
 JR静岡駅北側の繁華街。人出は4割近く減り、ネオン街から客足は遠のいた。「県内のクラスター発生で予約キャンセルが相次ぎ、今は問い合わせもない」。静岡市葵区両替町の居酒屋「器いろ」の飯田功店主(69)は市民の警戒レベルの高まりを感じる。お盆休暇中の予約客はいるが「お客の受け入れに、これほど心配な気持ちになるとは…」と心境は複雑だ。
 浜松市中区に位置する「有楽街」では、人出が5割超の激減。居酒屋「道南農林水産部浜松有楽街店」の入船修蔵店主(41)は「7時を過ぎると人出がなくなる状況がずっと続いている」と嘆く。
 一方、熱海市はクラスターの発生後もデータ上は夜の人出が増えた。ただ、若者を中心に日帰りの観光客が多く、店舗は閑散としているという。ナイトクラブを営む鈴木恵次さん(70)によれば「クラスターの発生から一気に客足が遠のいた」。同市の飲食業団体は加盟店にカラオケ使用の自粛を要請するなど感染対策に力を入れていて、鈴木さんは「オール熱海で安全安心を発信したい」と話した。

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