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火球追跡、高校生が「金星」 動画解析、軌道計算に貢献 磐田南高・地学部

(2020/7/27 17:02)
火球の落下位置の推定に貢献した県立磐田南高地学部の(手前から)有村航輔さん、神谷龍之介さん、佐藤晴香さん=17日、磐田市見付の同校
火球の落下位置の推定に貢献した県立磐田南高地学部の(手前から)有村航輔さん、神谷龍之介さん、佐藤晴香さん=17日、磐田市見付の同校
2日午前2時半ごろ、県立磐田南高から北東~北西の空で撮影された火球の軌跡
2日午前2時半ごろ、県立磐田南高から北東~北西の空で撮影された火球の軌跡

 7月上旬に関東上空で観測された火球と、千葉県習志野市で見つかった隕石(いんせき)の2個の破片。両者の関連を裏付けることになった火球の軌道計算と落下位置の推定に、磐田市見付の県立磐田南高地学部が貢献していた。観測した火球のデータを提供した生徒らは「まさか発見された隕石のものだったとは」と喜んでいる。
 火球は2日午前2時半ごろ、南関東上空を西南西から東北東に爆発を繰り返しながら移動した。隕石は、国立科学博物館(東京都)が鑑定し、13日に火球による隕石と発表、「習志野隕石」と命名するなど話題を呼んだ。
 同博物館の動きとは別に、学者やアマチュア天文家らが大気圏内の発光現象の観測情報を交換するインターネット上の団体「SonotaCo Network(ソノタコ・ネットワーク)」が落下位置を推定していた。
 同団体には磐田南高地学部も参加していて、校舎からとらえた観測動画やデータは、各地から寄せられた9本の動画の一つとして推定に一役買った。同団体の公表資料には、校名を挙げて謝意が記されている。
 動画は約7秒。高高度発光現象の記録・観測用に校舎4階に設置した高感度CCDカメラが記録していた。同部2年の神谷龍之介さん(16)は「火球は年に4、5回は見るので最初はあまり気にしていなかった」と振り返る。しかし、その後にSNSなどで話題になっていることを知って解析を開始。星の位置やカメラの方角などから火球の落下地点を割り出し、8日に同団体内で情報共有した。
 推定に貢献し、物理学にも興味があるという有村航輔さん(16)は「いつかさまざまな天体現象を証明してみたい」、佐藤晴香さん(16)も「今後も疑問に思える現象に出会いたい」と意気込む。同部の青島晃講師は「毎日の記録映像のチェックや機材調整などの努力が実を結んだ」と目を細めた。

 ■推定地域で隕石発見 まれ
 国立科学博物館によると、火球の軌道計算に基づいて落下が推定された地域で隕石が発見・回収されるのは極めてまれで、国内では今回が初めて。隕石の正確な軌道が判明すれば、隕石の親天体である小惑星の推定が可能で、天文学的に有意義だという。
 磐田南高の青島晃講師によると、同校地学部が撮影した映像は、火球が光り始めてから光り終えるまでの様子が記録されている。火球が複数回の爆発と分裂を起こしていたことから、想定された落下地域よりも広範囲に破片が分散している可能性もあるという。
 同博物館によると、隕石の落下は2018年に愛知県小牧市に落ちた「小牧隕石」以来で、国際隕石学会に登録されれば国内で53例目になる。

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