森林整備の課題解決へ 磐田・万瀬財産区、静大と住民が共同管理協定
(2020/7/27 08:31)-
磐田市北部の万瀬(まんぜ)財産区と静岡大理学部(静岡市駿河区)は26日、両者が今後行う区有林の共同管理と研究活用に関する協定締結式を同市万瀬の万瀬公会堂で行った。万瀬自治会の中野恵英会長(64)は住民の人口減と高齢化で年間数回の草刈りや間伐すら「切羽詰まっていた」と打ち明け、「代々受け継いできた財産区が将来どうなるのか不安があった。山がどう変わっていくか楽しみ」と期待を寄せた。
両者は8月以降、困難になっている区有林管理の課題解決を図りつつ、学生らの研究の場にしていく。同大の徳岡徹准教授(人間・環境学)と研究室所属の学生ら約10人は今後、区有林の植物の生育状況や生物多様性を研究する。
コナラやスギ、ヒノキなど人工的に植えられた木々を伐採、その後の植生の変化を調べながら照葉樹の成長を促し、手入れ不要で災害にも強い自生の森林状態に近づける。作業道設置や下草刈りなど森林整備にも携わる方針。徳岡准教授は「いかに効率よく自然の森林に近づけるかが課題。地元の方々と協力し、楽しみながら取り組みたい」と話した。
締結式では財産区最高責任者の渡部修磐田市長と中野会長、徳岡准教授が協定書に署名した。
■災害防止期待も
市や自治会関係者などによると、万瀬財産区は市制・町村制が施行された1889年に成立し、スギやヒノキを植樹するなど、長年多くの住民が林業を営んできた。一方、約50年前に約30戸100人以上だった住民は現在9戸約30人に減少、高齢化率も40%を超え、住民らで行ってきた区有林管理の継続が難しくなっていた。
財産区の佐々木健一管理会長(66)は、「下草などで荒れている場所もある。結果はすぐには出ないかもしれないが、見た目にも良い山になってくれれば」と話した。土砂崩れなど災害防止に期待する声も上がった。
渡部市長は「森林管理は日本の課題の一つ。学生から意見を聞きながら、全国のモデルになれるよう協力していく」と強調した。
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