大学生コロナ禍で意識変化? Uターン就職、機運に高まり 内定者増、オンライン相談活況 静岡

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、静岡県外の大学に通う県内出身学生の間でUターン就職を志向する動きが強まっている。県や県内支援機関のオンライン相談が急増し、浜松市内では4~6月のUターンの内定取得者が前年同期比で倍増した。コロナ禍で企業の採用活動を含めた社会のオンライン化が進み、学生の就職観に変化の兆しが見え始めた。

県外大学に通う学生の相談にオンラインで対応する浜松商工会議所職員=7月初旬、浜松市中区の浜松商工会議所
県外大学に通う学生の相談にオンラインで対応する浜松商工会議所職員=7月初旬、浜松市中区の浜松商工会議所

 浜松市出身で神奈川県内の大学に通う4年生の女子学生は7月初旬、浜松商工会議所のUターン就職支援担当の職員とオンラインで話し、地元企業での内定取得に意欲を示した。コロナの影響で大学の授業は全てオンライン対応となり、外出も制限されるなど生活は一変。女子学生は「安全面を含め、地元で働くことの良さを再認識した」と語る。
 無料通信アプリLINEを使った支援事業に取り組む同商議所では、2月以降の5カ月間で大学生の相談登録者が約300人増えた。3月に始めたインターネット電話での面接練習会も毎回予約が全て埋まる人気だ。
 同事業を活用し、4~6月にUターンで浜松地域の企業の内定を得た学生は58人で、前年同期の29人の2倍に達した。担当者は「機運を逃さず、地元中小企業と学生をつなげたい」と意気込む。
 県が首都圏などに置くUターン支援拠点でも、対面とオンラインを合わせた4~5月の相談件数は前年同期比の1・8倍に増えた。
 就職支援財団(静岡市)の鈴木寿彦事務局長は県内企業にオンラインでの情報発信強化を求め、「テレワークの推進など、学生に多様な働き方を提示できるかも鍵」と提言する。

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