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富士スバルライン15日開通 登山者の静岡県側流入懸念 県内市町、遭難対策「難しい」

(2020/6/12 09:20)
静岡県は富士山の登山ルートの5合目につながる3県道を9月10日まで閉鎖すると決めている=11日午後、小山町のふじあざみライン
静岡県は富士山の登山ルートの5合目につながる3県道を9月10日まで閉鎖すると決めている=11日午後、小山町のふじあざみライン

 ■山梨県が発表 入場台数は制限
 山梨県の長崎幸太郎知事は11日の記者会見で、工事のため閉鎖中の富士山麓と観光名所の5合目をつなぐ有料道路「富士スバルライン」を15日午前7時から開通させると発表した。車で5合目まで行ける唯一の道路となる。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、車の入場台数に上限を設定し、1時間以上の駐車を制限する。
 首都圏在住者に対しては、県境を越える移動の自粛要請が解除されるまで入場を拒否。5合目から先の登山を抑止するためバリケードを新設し、監視員を巡回させる。
 山梨県によると、5合目には国内外から毎年約500万人の観光客が訪れる。長崎氏は「ぎりぎりの判断だ。富士山を日本の感染症対策がきっちりとできている象徴にしたい」と述べた。
 今夏は山梨、静岡両県が管理する全ての富士登山道が閉鎖。静岡県側では、5合目と麓を結ぶ3カ所の県道を9月10日まで通行止めにすることが決まっているが、遊歩道を使えば5合目まで登ることができる。

 ■静岡県内市町 避難対策「難しい」
 山梨県が富士山吉田口5合目に通じる「富士スバルライン」を15日に開通すると発表したことについて、登山ルートの5合目につながる3県道の9月10日までの閉鎖を決めている静岡県側関係者は11日、「両県では状況が異なる」と冷静に受け止めた。ただ、登山ルートを有する県内市町は、吉田口5合目を起点にした登山者の流入などに伴う不測の事態発生を懸念している。
 吉田ルートと合流する須走ルートを抱える小山町は、登山者が誤って須走口5合目に下山すると警戒する。例年5合目で対応する「富士山ナビゲーター」を置かないため、登山者は自力で吉田口まで戻るしかなく、体調不良者やけが人が出る恐れもある。
 町商工観光課の担当者は「人が常駐するわけにもいかず、対策は難しい。登山は控えてと呼び掛けるしかない」と漏らす。御殿場市観光交流課は、本県側の5合目に向かう県道も通行できるとの誤解が生じると心配する。
 吉田口5合目は夏山シーズン中に100万人以上を集める一大観光地。静岡県富士山世界遺産課は、こうした山梨側の事情を踏まえ「対応が分かれるのは致し方ない」と理解を示した。
 県内でも5合目観光を受け入れるよう求める動きがある。富士宮市などに拠点を置く交通事業者らは3日、富士宮口5合目に至る富士山スカイラインを開通するよう須藤秀忠市長に要望。御殿場、小山両市町の交通事業者も同様の要望書を市町に提出する方針だ。
 

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