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希望の花火、悪疫退散の願い込め夜空に 三遠煙火(湖西)など業者一丸、全国同時打ち上げを計画

(2020/5/19 07:42)
仕上げ前の花火玉を見る小口浩史取締役。プロジェクトの準備を進めている=5月中旬、湖西市の三遠煙火の工場
仕上げ前の花火玉を見る小口浩史取締役。プロジェクトの準備を進めている=5月中旬、湖西市の三遠煙火の工場

 「悪疫退散の願いを乗せ、夜空に大輪を」-。長引く新型コロナウイルスの影響で花火大会の中止が相次いで発表される中、苦境に立たされる全国の花火業者が手を組み、各地で同時刻に一斉に花火を打ち上げるプロジェクトが動きだした。発起業者の一つの三遠煙火(湖西市)は、落ち込む社会の雰囲気を吹き飛ばそうと“サプライズ”の準備を進めている。
 「昨年11月を最後に、今年は参加する花火大会のめどが一切立っていない」。全国の大会で受賞経験がある三遠煙火の小口浩史取締役(39)は頭を抱える。花火業者では夏場の花火大会に向けて5、6月に製造作業の最盛期を迎えるはずだった。だが今年は、新型コロナの影響で各地の花火大会が中止に。同社も参加予定だった「ふくろい遠州の花火」なども中止となり、13人の職人や従業員は4月下旬から当面の間休業を余儀なくされている。
 厳しい経営状況は続くが、全国の業者と近況について連絡を取り合う中で小口さんの考えは変わった。「花火大会は悪疫退散の祈願が起源とも言われる。大会やイベントがなくても打ち上げられる」。仲間と協力し、各地で一斉に花火を打ち上げるプロジェクトを立ち上げた。
 当初は11社で始まったが、参加を呼び掛けると全国約120社が賛同。県内でも安倍川や狩野川の花火大会が開催断念に追い込まれる中、静玉屋(静岡市)、イケブン(藤枝市)、臼井煙火(同)、神戸煙火工場(島田市)が参加を決めた。
 打ち上げは5分以内で、場所は各社が地元などで調整する。人混みが生じるのを避けるため、今のところ日時などの詳細は非公表。
 三遠煙火は1分間、約70発のスターマインを用意する。「皆さんがそれぞれの場所で見て明るい気持ちになれるように」。小口さんは思いを込めて大輪を咲かす。

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