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新型コロナ、新茶期にも影 帰省自粛、摘み手不足

(2020/5/2 15:00)
地元住民の助けを借りながら茶の摘採に励む高木郷美さん(左)ら=1日午前、川根本町下長尾
地元住民の助けを借りながら茶の摘採に励む高木郷美さん(左)ら=1日午前、川根本町下長尾

 新型コロナウイルスの感染拡大が、新茶シーズン真っただ中の茶農家に影響を及ぼしている。政府による緊急事態宣言の発令で大型連休中の帰省や、外出の自粛の動きが強まり、茶摘みなどの担い手を確保するのが難しくなっている。
 川根本町下長尾の農家高木郷美さん(63)は、町外の長女と三女両家族が帰省を見合わせた。「知り合いの知り合いまで頼らないと、作業が追いつかない」と高木さん。需要が高まる八十八夜の1日、茶摘み経験がない移住者に声を掛けたり、町シルバー人材センターに派遣要請したりして人手を確保し、摘採作業に臨んだ。
 同町水川の「つちや農園」の土屋和明さん(57)はことし、20年続けてきた全国茶品評会への出品を見送った。出品茶は毎年連休中に摘むが、今期は近隣市町の農家に十分な数の応援を頼めなかったのが原因という。品評会は諦めたが、「いいお茶を作って消費者に届けたい。感染防止対策を徹底し、摘採に臨みたい」と気持ちを切り替えた。
 ことしの県内産一番茶取引は、人手のかかる手摘みの茶の出回りが少なく、製茶問屋は事前に予約していないと仕入れできないほど品薄だった。
 静岡茶市場によると、担い手の高齢化や生産効率の低さから手摘みをする生産者が減っていたところに新型コロナの影響でさらに手摘みをする農家が減り、希少価値が高まっているという。
 今シーズンは例年に比べて芽伸びが遅く、山間部ではこれから本格的な新茶の生産が始まる。静岡市の安倍川・藁科川流域で生産される本山(ほんやま)茶の産地では清掃、こん包作業などのアルバイトを募集する茶工場もある。
 静岡市の老舗問屋の仕入れ担当者は「新型コロナによる販売不振の影響で、お茶の相場全体がさえない中、手摘み茶だけは別格。良質なお茶の需要は変わらない」と話す。

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