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新型コロナ影響…あしなが奨学金ピンチ 学生募金、街頭活動中止

(2020/4/2 21:37)
あしなが奨学金交付の推移
あしなが奨学金交付の推移

 静岡、浜松両市など全国298カ所で4月に予定されていた「あしなが学生募金」への協力を呼び掛ける第100回街頭活動が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて中止になった。病気や災害などで親を亡くした子の進学を支えるため50年続けてきた活動の中で初の事態。募金を資金基盤にする奨学制度「あしなが奨学金」の利用者が近年急増している中、運営母体のあしなが育英会(東京都)は中止による影響額を約40億円と見込み、将来的な制度の継続にも危機感を募らせている。
 現在、奨学金や制度運営費の多くは寄付によって賄われている。1970年から毎年春と秋に実施している街頭募金が、ほぼ唯一の広報の機会。募金箱に浄財を集めるだけでなく、遺児学生が自ら経済的困窮を社会問題として訴えることで、継続的な支援を募る重要な役割を担っている。
 節目の第100回は活動地域を1・5倍に増やしてボランティアも2倍にし、2月に導入したオンライン上での寄付システムを紹介するなど、大々的に展開する予定だった。
 2019年度は103人が奨学金を利用した本県でも、奨学生らが毎年実施している両政令市に加え、熱海市でも活動しようと準備をしていた。
 静岡県ブロックのリーダーを務める静岡大2年の那須野智大さん(19)は「募金をお願いする機会が失われたことよりも、僕たちの思いや寄付者への感謝を直接伝えられないのが残念。多くの人に存在を知ってもらうため、ブロック独自のSNSアカウントやブログを開設し、情報発信することを検討している」と語った。

 ■利用者・交付額とも急増 新たな寄付システム模索
 あしなが奨学金は、病気や災害で親を亡くした子どもの高校、大学などへの進学を支える制度。あしなが育英会によると、返還不要の給付型を新設した2018年度から奨学生数が急増し、19年度は過去最高の6551人になった。貸与型での進学を諦めていた遺児からの利用希望が増えたためで、交付総額も17年度の21・6億円から19年度は48・2億円に倍増した。
 育英会は「(街頭募金への依存が大きい)これまでのスタイルでは運用が難しくなっている」と危惧し、寄付の受け皿拡大を模索している最中。今回の街頭活動中止でただちに制度維持が厳しい状況に陥ることはないというが、担当者は「広報の機会を増やす重要性は増している。多くの人に遺児の思いや夢を伝える場をつくるために、できることを考えたい」とする。

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