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熟すイチゴ、行き場なく 新型コロナで観光農園キャンセル続出

(2020/3/9 07:29)
ハウスの中で栽培される「石垣イチゴ」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で客足が減少している=8日午前、静岡市駿河区
ハウスの中で栽培される「石垣イチゴ」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で客足が減少している=8日午前、静岡市駿河区

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う観光客の減少により、盛期を迎えている県内のイチゴ産地への影響が深刻化している。観光農園は団体客を中心に予約キャンセルが続出。売店も客足が遠のき、生産者は次々と赤く熟すイチゴの売り先確保に苦労する。「今が一番おいしい時期。一刻も早く終息してほしい」。関係者からは切実な声が上がっている。
 「石垣イチゴ」で知られる静岡市駿河区の久能地区。例年なら2月に入ると全国から多くの観光客や家族連れが訪れ、周辺道路が渋滞する程のにぎわいを見せる。ただ、感染防止のため外出自粛のムードが広がる中、地域全体で盛況にはほど遠い状態が続いている。
 「復興への動きが早かった東日本大震災後よりも先が見えない」と嘆くのは、久能山東照宮参道前の土産物店「富久屋」の男性(65)。自営の農園で行うイチゴ狩りは既に、団体客ら計700~800人分の予約取り消しがあった。約35軒の観光園でつくる久能苺(いちご)狩り組合の海野博明組合長も「地域全体でも半分以上がキャンセルではないか。まだ効果的な対策を打ち出せない状況」と唇をかむ。
 観光客の減少は生産者にも影を落としている。久能地区のビニールハウスで収穫作業に励む男性(65)は普段、生産したイチゴを通信販売するとともに、地元売店に卸売りする。しかし、書き入れ時の2月になっても客足は伸びず、販売が停滞。「通販サイトで大変な状況を伝え、価格も抑えて何とか売れる見通しをつけてきた。余ってしまうと本当に困る」と話した。
 伊豆地域で最大級の「江間いちご狩りセンター」(伊豆の国市)でも、集客は例年の約3分の1と低迷する。普段なら平日も大型バスが連なる駐車場には空きが目立ち、観光客の姿もまばら。運営する江間いちご狩り組合の岩田幸晴副組合長は「昨年の台風被害を乗り越えて出来の良いイチゴがそろっているだけに残念。先は読めないが、個人客向けにも休まず営業したい」と顔を上げた。

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