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第五福竜丸展示館 五輪パラ期間中、2カ月休館 関係者「残念」

(2020/2/25 19:00)
東京五輪・パラリンピック開催期間に一時休館することが決まった第五福竜丸展示館=東京都江東区夢の島
東京五輪・パラリンピック開催期間に一時休館することが決まった第五福竜丸展示館=東京都江東区夢の島

 1954年の米国の水爆実験で被ばくした焼津港所属のマグロ漁船「第五福竜丸」を保存する東京都立第五福竜丸展示館(江東区)が今夏、東京五輪・パラリンピックの影響で2カ月にわたって休館する。隣接するアーチェリー会場の警備が理由。国内外から訪れる多くの人に核の悲劇を知ってもらう絶好の機会だっただけに、焼津市など静岡県内関係者から「残念」との声が上がっている。
 休館期間は7月3日~9月7日。夢の島公園内にある展示館のすぐ横では現在、アーチェリー決勝会場の工事が急ピッチで進む。都は競技運営の安全確保や騒音対策のため、周辺を封鎖する必要があると判断し、展示館をはじめ園内各施設の一時休館を決めた。
 第五福竜丸の元乗組員見崎進さん(故人)の長女西子仁美さん(61)=島田市=は昨年6月、初めて展示館を訪問。「父の人生を一変させた船を目の当たりにして、涙が止まらなかった」と振り返る。休館には「世界中の人に平和や核兵器の問題を考えてほしかった」と残念がる。
 展示館見学などを通じて若者の平和教育に取り組んできた高校教諭山口良二さん(61)=焼津市=も落胆する一人。「展示館でさまざまな人とつながり、平和を深く学ぶきっかけになる。世界中の青年が訪れる好機だったのに」と話した。
 近年の来館者は年間10万人前後だが、運営・管理する第五福竜丸平和協会の安田和也事務局長は「ここ数年、欧米やアジアの外国人観光客が明らかに増えてきた」と変化を感じている。来館者が名前や感想を記すノートには、英語や中国語、ドイツ語などの書き込みも目立つ。安田事務局長は休館中、パネルや資料を外部に積極的に貸し出し、アピールの機会を確保する考えだ。

 <メモ>東京五輪・パラリンピックの関連施設周辺は大会期間中、公園や運動場、駐車場などさまざまな施設が一時的に一般利用できなくなる。第五福竜丸展示館の近隣にあるスポーツ施設や熱帯植物園のほか、トライアスロンなどが行われるお台場海浜公園はビーチが使えず、ホッケー会場になる大井ふ頭中央海浜公園も野球場やテニスコートの利用を休止。国際的な展示会などで使われる東京ビッグサイトもメディアセンターになるため、利用が制限されている。

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