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むらの水車、復活させよう! 藤枝の保志さんがプロジェクト

(2020/2/19 19:00)
水車復活に向けて作業する「水車むら」代表の保志弘幸さん(左端)と有志の仲間=2月上旬、藤枝市瀬戸ノ谷
水車復活に向けて作業する「水車むら」代表の保志弘幸さん(左端)と有志の仲間=2月上旬、藤枝市瀬戸ノ谷

 藤枝市瀬戸ノ谷の古民家で田舎体験プログラムを提供する施設「水車むら」を運営する保志弘幸さん(40)=同市=が、水を運ぶパイプの老朽化などで長年止まった状態の水車を再び稼働させようと動力復活プロジェクトに取り組んでいる。「水車を回すことで地域内外の『人の輪』も広がる。二つの輪を動かすことで過疎化が進む地域を活性化したい」と意気込む。
 藤枝で幼少期を過ごした保志さんは、化学メーカーに12年間勤務した。携帯端末などに使う新素材の研究開発を行っていたが、先進国の富裕層しか恩恵にあずかれないものづくりに疑問を抱き、青年海外協力隊を志願。アフリカ南部マラウイで2年間、電気も水道もない環境に暮らす住民への技術指導や生活向上支援に携わった。
 帰国後に仕事を辞め、帰郷した2016年7月に、かつて水力エネルギーや環境との調和を目指していた有志の集い「水車むら会議」が拠点にしていた古民家に出合った。かやぶき屋根に水車と囲炉裏(いろり)。古民家は荒廃していたが、質素でぬくもりのある空間を感じ、「物質的豊かさはないが、火を囲み仲間と語らう時間が心を満たしたマラウイでの時間が重なった」。
 古民家の家主で水車むらを作った臼井太衛さん=今年1月に83歳で他界=に活用を願い出て修復を開始。17年に古民家を利用した体験施設「水車むら」を開業した。まき割りやかまど炊飯を目的に家族連れや外国人が来るようになり、「次は水車復活を」と臼井さんに相談すると、「喜ばしいのが半分。心配が半分」と言われたという。
 保志さんは18年11月から、休日を使って手伝いに来てくれる仲間と修繕作業を進めている。「水音を響かせ回る水車を見に人が来るようになれば、にぎわいと雇用を生み出せる。ぜひ力を貸してほしい」と思いを語る。

 ■寄付金、活動参加者募る
 「水車むら」は水車を復活させて持続可能な田舎体験の場を提供するために、寄付金を募るクラウドファンディングを行っている。目標額は200万円。300メートル上流から水車に水を運ぶ水路パイプの購入、施設内のつり橋修理に充てる。受付期限は3月19日。水車の復活に向け、共に活動できる人も随時募集している。問い合わせは保志さん<電090(2213)9759>へ。

 <メモ>臼井太衛さんは、1936年、藤枝市瀬戸ノ谷生まれ。藤枝東高卒業後、静岡農業講習所を経て茶やタケノコの有機栽培に従事した。室田武一橋大教授(故人)らと脱原発、小水力発電、有機農業を考える集い「水車むら会議」を主宰。藤枝で国産紅茶の再興や水車小屋建設を主導した。同市出身の作家小川国夫や藤枝静男らとも親交があり「藤枝文学舎を育てる会」などに所属した。

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