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悲しすぎる事故「もう二度と…」 娘亡くした交差点に立つ父 静岡

(2020/1/17 15:45)
娘を亡くした交差点で旗振りをする築地秀将さん=16日午前、静岡市葵区豊地
娘を亡くした交差点で旗振りをする築地秀将さん=16日午前、静岡市葵区豊地
現場に今も手向けられている献花=7日、静岡市葵区豊地
現場に今も手向けられている献花=7日、静岡市葵区豊地

 静岡市葵区豊地の県道交差点で平日の朝、高校生の登校時間に合わせ、交通安全の旗振りをする男性がいる。築地秀将さん(53)=同区=。2019年4月、同じ交差点で高校2年生だった三女のみのりさん=当時(16)=を交通事故で亡くした。娘と同じような事故が「もう二度と起きてはいけない」とドライバーに安全運転を呼び掛ける。
 16日の朝も寒空の下、ドライバーや自転車の学生に向けて旗を振る築地さんの姿があった。「横断中」と書かれた大きな黄色い旗を掲げ、思いやり運転を訴える。毎朝交差点を通る中で築地さんと顔見知りになり、あいさつするドライバーも多い。
 みのりさんの事故は2019年4月6日の朝、同所の信号機のある丁字路交差点で起きた。当日は新学期が始まった直後の土曜日。みのりさんは自転車でバイト先に向かう途中、左折してきた大型トラックと衝突し亡くなった。
 まじめで他人思いだったみのりさんは看護師を目指し、大学進学に向け熱心に勉強していた。「どこへ行ってもみのりを思い出す。事故直後は家の外に出るのがつらかった」。2人で行った温泉や商業施設にはいまだに行くことができない。
 大きな悲しみの中、築地さんが旗振り活動を始めたのは事故から2日後。「小中学校にPTAの旗振り当番があるように、高校生も大人が守ってあげなければ同じような事故がまた起こる」と思い立った。交差点には、みのりさんとよく2人で乗ったというバイクで訪れ、今も花を手向け続ける。
 生活に欠かせない便利な車は人を殺す凶器にもなる。亡き娘との思い出を胸に築地さんは訴える。「全てのドライバーにハンドルを握る責任の重大さを認識してほしい」。なぜなら「本人や家族だけでなく、みのりの友人にも深い傷を負わせてしまった。事故は許せない」という思いが強いから。まな娘を亡くした喪失感が癒えることはない。通学する高校生にみのりさんを重ねながら交差点に立つ。

娘を亡くした交差点で旗振りをする築地秀将さん=16日午前、静岡市葵区豊地
娘を亡くした交差点で旗振りをする築地秀将さん=16日午前、静岡市葵区豊地

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