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鳥居老朽化、持ち主は? 静岡・草薙神社参道入り口

(2020/1/8 07:35)
所有者不明の状態になっていた大鳥居。破損が見つかった箇所にはシートが巻かれている=2019年11月下旬、静岡市清水区
所有者不明の状態になっていた大鳥居。破損が見つかった箇所にはシートが巻かれている=2019年11月下旬、静岡市清水区
大鳥居、草薙神社
大鳥居、草薙神社

 静岡市清水区の草薙神社につながる市道に立つ鉄筋コンクリート製の大鳥居が所有者不明の状態だったことが、7日までの関係者への取材で分かった。地域住民らから指摘を受けた市が所有権の確認を進める中、老朽化に伴う破損が見つかった。住民は地域のシンボルとしての存在の大きさを認識しつつ、「安全確保が最優先」として撤去を要望。道路管理者の市が対応を急いでいる。
 【続報】草薙の大鳥居 静岡市撤去へ
 大鳥居は高さ約12メートル、幅約16メートルで県道静岡草薙清水線(通称・南幹線)沿いの歩道に市道をまたぐ形で立つ。建立は1975年。静清土地区画整理事業の補償工事の一環で、市道上に立っていた古い鳥居が道幅に合わせ大きく建て直された。
 市土木事務所によると、約2年前に地域住民や氏子から鳥居の管理について指摘があり、同神社が市に問い合わせて所有者不明の問題が発覚した。同神社によると、大鳥居は過去の財産目録にも記録がなく、神社の所有物としての確認が取れないという。建立時の公的文書が現存しないため、市と当時の事業主体だった県が、元職員への聞き取りや事業の記念誌の記録を調べて所有権や撤去の在り方を協議してきた。
 県景観まちづくり課によると、「古い鳥居も所有者が分からなかった」という元職員の証言があり、県が直接施行により工事をした記録が残っていた。同課は「土地区画整理法に基づけば、所有者に代わり事業者側が直接工事を行える。所有者不明のまま県が補償工事として直接施行をしたと考えられる」と説明する。同神社氏子総代会の岩本保男会長も「引き渡し書を交わせば残っているはずだが見つからない。氏子の中にも当時の経緯を知る人がいなかった」と証言する。
 昨年5月に市職員が鳥居の表面が一部剝がれ落ちたのを見つけ、緊急点検を実施した。週1回の巡回で当面の安全確保はしているが、同年7月に有度地区連合自治会と氏子総代会、草薙商店会が連名で撤去の要望書を市に提出した。
 市は今後、県の見解を検討し、他に所有者がいる可能性がないかなどを調べる予定。市土木事務所の担当者は「所有者がいないことが法的に確認できれば、道路管理者として撤去の手続きに移ることができる」と説明した。

 ■「被害出る前に」 自治会撤去要望
 大鳥居が立つ市道は、約1900年の歴史が伝わる草薙神社の参道につながる。建立から44年が経過したが、これまで目立った修繕などがされていなかったとみられている。
 同神社が秋季例大祭に行う県指定無形民俗文化財の「草薙大龍勢」は、地域住民や子どもたちが参加する恒例行事。地元自治会や商店会などはまちづくり団体の「草薙カルテッド」を立ち上げ、神社周辺を含む地域一帯のまちづくりにも取り組んでいる。有度地区連合自治会長で同団体共同代表の花崎年員さんは「地震で倒れるなどして被害が出てからでは遅い。なるべく早く撤去を進めてほしい」と話した。
 同神社は「自治会や氏子総代会の総意に従いたい」としている。

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