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川根本町に活性化の風 外資系IT進出2年半、移住者増へ期待

(2019/12/4 08:11)
サテライトオフィスで町の活性化について会話を弾ませる滝尾かのこさん(左から2人目)らゾーホージャパンの社員=3日午後、川根本町千頭
サテライトオフィスで町の活性化について会話を弾ませる滝尾かのこさん(左から2人目)らゾーホージャパンの社員=3日午後、川根本町千頭

 外資系ソフトウエア開発大手のゾーホージャパン(横浜市)が川根本町にサテライトオフィスを開設して約2年半が経過し、人口減に悩む町に変化が起こり始めている。若者の流出が進む中、今春初めて地元の川根高卒業生を採用。グループ本社のあるインドで行う町内の高校生向けの留学体験「サマーキャンプ」が話題を呼び、本年度は同校に初の県外生徒も入学した。ここ半年で首都圏の2企業も相次ぎ進出。地域も移住者の増加や活性化に期待を寄せている。
 3日午後、同町千頭の老舗旅館を改装して12月にオープンしたばかりの新オフィス。川根高卒の滝尾かのこさん(18)は同僚のインド人社員と英語で相談したり、真剣な表情でパソコンと向き合ったりしていた。現在の担当は製品に関する問い合わせの回答を英語から日本語に翻訳し、顧客にEメールで送る業務。「地元で最先端のIT業務に携われる毎日。とても充実している」
 滝尾さんがゾーホーへ入社するきっかけは高校時代の「サマーキャンプ」だった。企業内大学で英語やプログラミングなどを学ぶ取り組みで、町と同社が協力して昨夏から始めた。同校によると、町外からの本年度入学者数は過去最多で、入試面接ではサマーキャンプへの関心を口にする生徒も多いという。新林章輝副校長は「生徒たちにとって貴重な体験。先進的な活動で入学希望者からの反響も大きい」と感謝する。
 同社がサテライトオフィスを設ける際に物件探しを協力するなど、当初から側面支援を続けているNPO法人「かわね来風(らいふ)」の浜谷友子事務局長は「ゾーホーがこの町に新たな風を吹き込み、企業誘致など人口増へ良い流れができた」と話す。
 同町での事業を推進してきた迫洋一郎社長は今月10日退任予定。「当初に比べると町は変化しているが、まだまだ。社員は今後も町の将来を見据え、力を尽くしてほしい」と期待を込める。

 ■官民連携の活動が成果
 ここ半年で首都圏の2企業がサテライトオフィスを構えるなど、川根本町で地方創生が進む背景には、IT企業ゾーホージャパンの進出を機に発足した官民組織「プロジェクトK」の活動がある。町や県、地元団体で立ち上げ、町のPRや移住支援を通じて企業誘致を推進してきた。
 現在は誘致企業や町の観光協会なども加わり、11団体26人で構成する。移住、観光、農業の3部会に分かれ、連携しながら各団体の強みを生かした施策を展開している。月1回の会合には県外から複数の企業が視察に訪れ、11月には金融庁職員も来訪するなど、過疎地ならではの地域活性化モデルとして注目を集める。
 町企画課の大村妃佐良課長は「民間が入ることで事業にスピード感が出る。今後も多くの人を巻き込み、町の魅力化を図りたい」と意気込みを示した。

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