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<中曽根元首相死去>静岡の青春「原風景」 旧制静高で礎築く

(2019/11/30 07:50)
旧制静岡高の同窓会で乾杯の音頭を取る中曽根康弘元首相=2010年11月、東京都内
旧制静岡高の同窓会で乾杯の音頭を取る中曽根康弘元首相=2010年11月、東京都内

 29日死去した中曽根康弘元首相は、多感な青春時代の3年間を旧制静岡高(現静岡大)で過ごし、静岡への愛情を終生持ち続けた。晩年には、学生当時に寮から毎日眺めたという富士山の世界遺産登録にも情熱を注いだ。
 群馬県出身で、親類の勧めで旧制静岡高に進んだ。同窓会にも参加を続け、旧交を温めた。会は同窓生の高齢化に伴い2012年に解散したが、その節目の集まりでは「われわれが学んだ精神が伝承され、日本のために役立つことを心から念じている」とあいさつ。静高生を育てた静岡の人々への感謝を盛んに口にした。取材に対しても「霊峰富士、臨済寺の鐘、そして静岡市民、県民に支えられて静高生は育ち、国の役にも立った」としみじみと語っていた。
 <私が今も思い出すのは、昔の静岡駅舎や駅前の小さな町並み、浅間神社である。とりわけ、松原と煙を上げて航行する汽船のはるか頭上に雪を抱いてぽっかり浮かんでいる富士山のすがすがしさは学生時代の原風景である>(月刊誌『文芸春秋』11年1月号)。自由主義者の本を読みふけり、友人と議論し、ときに旅をした。寮では、炊事部長や寮誌編さん委員長を務めたという。後年、人生を決定付けた体験の一つに静高生活を挙げた。
 同窓会の代表幹事を務めていた草野芳正さん(90)=東京都杉並区=は「解散後も、4~5年ほど前までは先生(中曽根氏)を囲む会を開いていた」と振り返り、静高時代のつながりを大切にしていた中曽根氏の人柄を懐かしむ。「いつも国のことを思い、一つの理想を追求されていた。非常に偉大な方で、こんなに寂しいことはない」と悼んだ。
 複数の関係者によると、中曽根氏の膨大な蔵書の寄贈先の一つとして、静大も一時期候補に挙がっていたことがあるという。
 

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