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豚コレラ対策、県猟友会の負担ずしり イノシシ処分一手に 静岡

(2019/11/10 07:59)
イノシシのわなの設置状況を確認する猟友会員や行政担当者ら=1日、藤枝市
イノシシのわなの設置状況を確認する猟友会員や行政担当者ら=1日、藤枝市
静岡県猟友会の会員数の推移
静岡県猟友会の会員数の推移

 豚コレラの感染防止対策で重要なイノシシの捕獲を巡り、県猟友会の負担が増している。「養豚農家に協力したい」との使命感から奮闘するが、会員数は約3400人とピーク(1971年)の5分の1で、高齢化も進む。狩猟関係者には「これ以上負担が増えれば後継者不足に拍車が掛かる」との懸念があり、専門家からは行政のサポートを求める声も上がっている。
 野生イノシシの豚コレラ感染確認などを受け、猟友会は通常の捕獲だけでなく、イノシシの監視や血液採取、処分といった作業を担っている。静岡県内でイノシシの狩猟が解禁された1日には、藤枝市で地元猟友会や行政、県警の担当者が山林をパトロールし、イノシシの足跡やわなの設置状況を確認した。
 同市では10月中旬以降、豚コレラに感染したイノシシの死骸が相次いで見つかった。人間には感染しないが、ウイルス拡散のリスクと隣り合わせで、タイヤや靴の徹底消毒など神経をすり減らす日々が続く。志太猟友会藤枝第二支所の久住英樹さん(75)は「大変な作業が続くが、1頭でも多く捕獲し、周囲に感染が広がるのを防ぎたい」と語った。
 愛知県境付近で早くから捕獲に取り組んできた西部猟友会。8~9月に湖西市や浜松市で約250頭を捕獲した。宮崎和彦会長(77)=同市北区=は「暑さの中、みんなが過酷な作業を頑張ってくれた」と振り返り、今後に向けても「地元には養豚農家が多い。何とか役に立ちたい」と気持ちを奮い立たせた。
 岐阜大の鈴木正嗣教授(野生動物管理学)は「野生イノシシ対策は現状では人も体制も十分ではない。イノシシの埋設や焼却など行政が何らかの形でサポートしていくことが重要だ」と指摘する。

 ■野生イノシシ対策急務
 県内では藤枝市で豚コレラに感染した野生イノシシの死骸が5例見つかっている。県は「イノシシが増えれば農業被害や豚コレラの拡大につながる」(地域農業課)として、引き続き捕獲や検査を徹底する。イノシシ向けの経口ワクチン散布にも取り組み、まん延防止に全力を挙げる。
 県内では3日から豚へのワクチン接種が始まり、豚コレラ対策の転換点となった。ただ、終息には長い時間がかかるとみられ、ウイルスの運び役とされる野生イノシシ対策は大きな課題だ。同時に養豚場の消毒や防護策の設置といった取り組みも重要になる。

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