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編み機不足、提供呼び掛け 静岡・清水区の就労支援B型事業所

(2019/10/2 17:01)
リズミカルに編み機を動かし製品を編んでいく通所者=静岡市清水区のニット工房ライク
リズミカルに編み機を動かし製品を編んでいく通所者=静岡市清水区のニット工房ライク

 障害者らが軽作業に応じた工賃を受け取る就労継続支援B型事業所「ニット工房ライク」(静岡市清水区)が工賃拡大を目指して取り組むニット製品の受注拡大策が暗礁に乗り上げている。島田市のデザイナーズ集団から新規発注を受けたが、手元にある編み機だけでは足りず、仕上げ作業を担う協力者の確保も急務となっている。事業所は家庭に眠る編み機が頼りで、寄付を募っている。
 工房には障害者12人が通い、リズミカルに家庭用編み機を動かす。月に約50~60点の製品を手がけ、県内外の店舗に卸している。
 編み機は事業所設立の2003年以降、寄付された12台を使用。しかし扱いやすい編み機の製造会社が約10年前に倒産し、新品は入手不可能に。また仕上げ作業は細かい技術を要し、外部の3人に委託する。後継が現れないことも懸念の一つで、協力者を募集している。
 ライクの通所者1人当たりの月額平均工賃は約1万5千円。県が掲げる工賃向上計画では3万円を目標としているが、県内平均もライクの通所者と同程度という。増田升美理事長は「障害者が作るものは“授産製品”というイメージがあり、高い値段では手に取ってもらえない。質は健常者が作ったものと変わらないのに正当な対価がもらえない」と話す。目標到達には倍の仕事量が必要だが、依頼が増えても受けられないのが現状だ。
 島田市のデザイナーズ集団「AND WOOL」は昨年、ライクを視察し、通所者の丁寧な仕事ぶりや待遇改善への姿勢に心を打たれ、高単価の商品を発注した。村松啓市代表は「家庭用編み機を使える人は珍しい。大量生産では出せない風合いが魅力」と説く。
 増田理事長は「環境が整えば生産性は上がり、期待に応えられる。工賃向上を目指す全国の事業所の先駆者となれば」と奔走する。

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