静岡新聞NEWS

日韓民間交流、今こそ 富士JC、ソウルの姉妹団体訪問

(2019/9/4 17:00)
江西JCメンバーと変わらぬ友好関係を確かめ合う富士JCの岩間優理事長(右から3人目)ら=8月24日、韓国ソウル市(富士JC提供)
江西JCメンバーと変わらぬ友好関係を確かめ合う富士JCの岩間優理事長(右から3人目)ら=8月24日、韓国ソウル市(富士JC提供)
姉妹JC締結当時の思いを振り返る稲葉邦文さん=8月28日、富士市内
姉妹JC締結当時の思いを振り返る稲葉邦文さん=8月28日、富士市内

 富士青年会議所(JC)が32年間にわたり、韓国ソウル市江西(かんそ)区の江西JCと交流を続けている。日韓関係が戦後最悪とされ、全国で交流事業中止が相次ぐ中、富士JCは慎重な協議を重ねた上で、今夏も訪韓を実施した。帰国後、「何事も無かった」と話す岩間優理事長(34)=富士市=らは「一度やめたら途絶えてしまう。国同士がこじれている時だからこそ、市民同士の交流が重要」と強調する。
 8月23~25日、富士JCの12人が江西区を訪ねた。懇親会や視察には、江西JCのOBや家族も参加し、友好関係を再確認した。江西JCのメンバーからは日韓関係への言及はほぼなく、移動中のバス車内に日本を批判するテレビ番組が流れた時には「私たちには関係のないこと」とテレビを消す配慮があったという。
 交流事業の担当委員長で訪韓経験も豊富な佐野泰正さん(35)=同=は「いつもと何ら変わらず、心配不要だった。抗議活動や危険な所は一部だけ。過熱ぎみの報道に左右されず、冷静に対応すべき」とあらためて感じた。
 両JCの交流は、国際感覚ある若手経済人の育成を目指し、富士JC30周年、江西JC10周年の1987年に姉妹JC締結をして始まった。毎年2月に江西JCが富士市を、8月に富士JCが江西区を訪ねて互いの総会に列席し、観光地や産業を視察している。
 これまでも両国関係が悪化した時はあったが、交流は中止しなかった。今回は日本の輸出管理施策をきっかけに、従来とは異なる韓国での激しい抗議活動が報じられた。家族や周囲から心配の声もあり、富士JCは6月から何度も協議を重ね、OBや関係者の意見も聴いた。佐野さんは「正直にこちらの不安を江西に伝えた。安全は保証するとの回答を得て、決断した」と経緯を振り返る。
 姉妹JC締結時の理事長だった稲葉邦文さん(68)=同=は「当時からさまざまな問題はあったが、青年の力で両国関係を前進させたいとの思いがあった」と話す。交流は家族間や少年サッカー交流などにも発展し、今も個人的な交流を続けるOBもいる。稲葉さんは「交流をやめれば、互いを尊重し合う経済人や政治家は育たない」と、民間交流の停滞を懸念する。

静岡暮らし・話題の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト