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サンマ豊漁、今年こそ 静岡県内唯一の西伊豆「豊幸丸」出港

(2019/8/16 17:45)
地元住民に見送られながら、北方に向けて出港する第135豊幸丸=16日午前9時45分ごろ、西伊豆町安良里漁港
地元住民に見送られながら、北方に向けて出港する第135豊幸丸=16日午前9時45分ごろ、西伊豆町安良里漁港
今年初めてサンマ漁に臨む新人乗組員の斎藤広大さん(左)と三浦龍太郎さん
今年初めてサンマ漁に臨む新人乗組員の斎藤広大さん(左)と三浦龍太郎さん

 西伊豆町の豊幸漁業が所有する県内唯一の大型サンマ漁船「第135豊幸丸」(147トン)が16日午前、北方の漁場に向けて同町の安良里漁港を出港した。ロシア海域で漁を始め、北海道根室市の花咲港に水揚げする。近年、日本沿岸や排他的経済水域では記録的不漁が続いており、乗組員らは「今年こそは豊漁を」と意気込む。
 同日午前10時ごろ、乗組員15人を乗せて出港。港には船員の家族や地元住民らが駆けつけ、豊漁を願い紙テープを投げたり、手を振ったりして見送った。
 全国さんま棒受網漁業協同組合によると、サンマ水揚げ量は1983年から2014年までは、ほぼ毎年20万トン前後で推移していたが、15年以降は10万トン前後に落ち込んでいる。
 今年も回復の兆しは見えず、10日に解禁された20トン未満の小型船がロシア海域で漁を試みているが、15日までの水揚げ量はゼロ。マイワシ漁に切り替える船もあるという。
 藤井晴正船頭(63)は「情勢は厳しいが、昨年の水揚げを上回れるように頑張りたい」と話した。
 漁獲は9月以降にピークを迎える。船は魚群を追いかけながら千葉県沖まで南下し、11月ごろ帰港する予定。

 ■新人2人 担い手期待
 西伊豆町の安良里漁港を16日出港したサンマ漁船「第135豊幸丸」に今年、2人の新人乗組員が加わった。漁師のなり手不足が進む中、藤井晴正船頭は「将来、サンマ漁業を担う人材になってほしい」と期待する。
 初めてサンマ漁に臨むのは三浦龍太郎さん(29)=藤枝市=と斎藤広大さん(30)=沼津市=。
 三浦さんは静岡市駿河区の用宗漁港近くで生まれ、幼少期からシラス船に憧れて育った。高校卒業後は自衛隊に入隊したが、「漁師になる夢を捨てきれなかった」と26歳で漁業専門学校へ入学。恩師の勧めもあり豊幸丸を選んだ。
 一方、「30歳を機に新たな挑戦をしたかった」と話すのは斎藤さん。海釣りが趣味だったことなどから7月、周囲の反対を押し切り自動車修理会社を退社。漁師を志した。
 船上は体力、精神力が求められる過酷な現場だが、2人は「互いに支えながら早く一人前の漁師になりたい」と意気込む。

 ■資源管理へ漁獲枠
 サンマの資源管理に向け、日本は中国や台湾など8カ国・地域が議論する北太平洋漁業委員会で、漁獲枠導入を2017年から3年連続で提案。昨年までは中国などの反対で決裂していたが、今年の会合で20年から年間漁獲枠を上限55万6000トン、うち公海を33万トンとする国際合意にこぎ着けた。
 日本のサンマ漁不振の要因として、日本近海に回遊してくる前に中国や台湾の船が公海で先取りしているとの指摘もある。

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