静岡新聞NEWS

狐音頭、全国デビューへ 静岡・清水区の民謡、白秋が作詞

(2019/5/31 18:01)
キツネを模した動きに特徴のある狐音頭を練習する会員ら=22日、静岡市清水区上原の千手寺
キツネを模した動きに特徴のある狐音頭を練習する会員ら=22日、静岡市清水区上原の千手寺

 静岡市清水区上原の住民有志が2009年に保存会を組織し、伝承に取り組んでいる民謡「狐(きつね)音頭」。その地道な活動や特徴的な舞が認められ、6月2~3日に熱海市で開かれる全国日本民踊講習会に初招待され、全国の民踊愛好家の前で披露することになった。会員らは「地域の宝を広く伝えたい」と準備作業に熱を入れる。
 「狐十七よう/千手の寺に/ぽんぽん/こよい願あけ/もちの月」-。稽古場の同区の千手寺では、軽快な節回しに合わせて40~80代の会員が一つ一つの動きを入念に確かめる。両手を丸めてキツネを表現する舞が特徴で、70代の女性会員は「踊っている時は若い娘に返ったよう」と照れくさそうに笑う。
 狐音頭は狐ケ崎遊園地の開園を記念して1927年に北原白秋が作詞し、後に町田佳聲が曲を付けた「新郷土民謡」として登場した。3番からなる曲では、17歳の雌のキツネが有度山から麓の千手寺に下りてきて、山に帰っていくまでの情景が情感豊かに描かれている。
 白秋によって同時期に作られた「ちゃっきり節」「新駿河節」が大衆的な人気を集めた一方、狐音頭は主に静岡の花柳界でのみ伝承されたため、一般には知られてこなかった。
 狐音頭を地域の財産として継承すべく立ち上がったのは、曲の舞台である同寺の永田記子さん(79)を中心とした地元の住民有志。保存会の活動として、月に一度の稽古を重ねながら地元の盆踊りなどで披露してきた。
 熱海での講習会は、50年以上踊り継がれてきた全国の民踊8曲の一つとして発表する。永田さんは「この素晴らしい曲を後世に残す最高の機会と思い、会員一同心を込めて踊りたい」と晴れの舞台への意気込みを語る。

静岡暮らし・話題の記事一覧

ニュースアクセスランキング

  • 読み込み中です・・・
静岡新聞データベース

SBSテレビチャンネル

YouTube
こどもみらいプロジェクト「おやこアットエス」
静岡新聞SBSスクープ投稿
静岡新聞モバイルサイト