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駿河湾サクラエビ、高値続く 東京・豊洲市場、取り扱いわずか

(2019/4/26 07:21)
わずかな在庫の駿河湾産サクラエビを盛りつける吉川剛さん。駿河湾産を求めて来店する客も多い=25日午後、東京都世田谷区の「真太」
わずかな在庫の駿河湾産サクラエビを盛りつける吉川剛さん。駿河湾産を求めて来店する客も多い=25日午後、東京都世田谷区の「真太」

 1カ月前の3月26日に春漁の初出漁が行われた駿河湾のサクラエビ漁は、水揚げが数回にとどまり、東京や静岡県内のスーパーなど小売店の店頭では価格が高騰、“高根の花”状態が続いている。なかなか庶民の食卓には上らない状態だ。都内では高級デパートなどの食品売り場を除き、ほとんど出回っていない。一方、水揚げ漁港のある県内の地元スーパーは、入荷はしても販売は苦戦中という。
 「令和」への改元に伴う10連休前の荷動きのラッシュを迎えた、25日早朝の東京・豊洲市場。焼津漁港で水揚げされた旬の初ガツオの姿を多く見掛ける一方、春漁が振るわない駿河湾産のサクラエビの取り扱いはごくわずかだ。関係者によると、昨年から続く不漁で都内の需要は冷え込み続けている。高級スーパーなどを除き、「ほぼ出回っていない」のが実情だ。
 水産卸売業大手の「第一水産」(東京都江東区)では現在、同市場内で駿河湾産と台湾産の両方を取り扱っている。同社では例年、駿河湾産のエビを数十トン取り扱うというが、今年はまだ100キロにも満たない。漁獲量がわずかなうえ、価格がかつてないほど高騰しているためだ。
 同社の担当者は「都内のスーパーなどの量販店では、駿河湾産はほとんどないのでは。価格が安い台湾産に切り替えているところもある」と話した。
 25日午前は、駿河湾春漁初日だった3月26日に水揚げしたサクラエビ1箱(1キロ)が、豊洲市場の第一水産から都内の大型高級デパートへと向かった。
 場内に入る別の卸売業者は「『高ければ使わない』と判断する顧客が多い。スーパーなどでは手が出る値段ではないため、需要がない」と語る。
 一方で、顧客の中には駿河湾産にこだわる高級料理店もあるため、「漁最盛期の5月までは待ちたい」と期待ものぞかせた。
 世田谷区の懐石料理店「真太」も駿河湾産に強いこだわりを見せる店の一つだ。店主の吉川剛さん(49)は「台湾産とは品質面で、特に生食では比べものにならない」と持論を話す。店には駿河湾産サクラエビを求める客も多く、サクラエビとシラスを使った丼は看板メニューの一つになっている。
 ただ不漁の影響で、在庫はわずか。今季は春漁のエビを約2・4キロ仕入れたが、残りは720グラムほど。「それでも使い続けたい食材。それだけの魅力がある」と語った。

 ■地元小売店も苦戦
 静岡県内の水揚げ漁港のある静岡市清水区や焼津市の小売店でも店頭価格は高く、売れ行きは好調とはいえない。
 静岡市清水区を中心に展開するスーパー「ヒバリヤ」では、春漁出漁後には、1店舗ごと500グラムから1キロを入荷してきた。バイヤーの男性(57)は「地元のスーパーとして『高いから置かない』ということにはならない。品ぞろえとして漁がある限り置いていきたい」と話す。
 一方、販売は好調とはいえない。30、50、70グラム(約400~1000円)の小口のパックに分けて販売するが、「地元の人も容易には買えないのは確か」と打ち明ける。
 焼津市のスーパー田子重でも生サクラエビは例年と比べ割高で、売れ行きは低調。「利益幅を目いっぱい縮めて販売しているが、この価格では主婦が手を伸ばさない」と海産バイヤー。「漁の先行きが見えないのがつらい」と頭を悩ませる。
 「これでは商売にならない」。サクラエビとシラスを販売する同市の「マルク鈴木商店」店主の鈴木保さん(65)はため息をつく。
 仕入れ値は高く、前年同時期の約2倍の価格で販売せざるを得ない。「たまに仕入れても経費ばかりがかさむ。いつまで(経営が)もつか」と話す。
 

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