先端技術で描く未来都市 AI駆使、新たな暮らし 裾野・トヨタ

 トヨタ自動車が先端技術を活用した次世代都市の実証開発に乗り出す。自動運転の車が走り、家の中ではロボットが住民の生活をサポートするといった近未来を先取りする構想だ。裾野市の富士山の麓の工場跡地に建設。人工知能(AI)も駆使した「新たな暮らし」が実現するだろうか。

トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
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トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
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トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ
トヨタ自動車が建設する次世代都市のイメージ

 「着工は来年の今ごろです」。トヨタの豊田章男社長は10日、千葉市内で報道陣に、米ラスベガスで6日に表明した次世代都市について言及。「中小零細やベンチャー、科学者を含めてつくり上げていく」とし、異業種などの参加も呼び掛ける考えを示した。
 トヨタによると、2020年末に閉鎖する子会社のトヨタ自動車東日本の東富士工場(裾野市)跡地70・8万平方メートルを活用。東京ドーム15個分に相当し、モノやサービスがインターネットでつながる「コネクティッド・シティ」に、まず従業員ら2千人が実際に暮らす。
 街の道は「速い車両専用」「歩行者専用」「歩行者と遅い車両共用」の3種類を整備する。トヨタが開発中の自動運転の電気自動車「e-Palette(イーパレット)」が走り、人や物の輸送のほか、広場などで移動店舗としても利用する。建物の屋根には太陽光パネルを設置し、燃料電池発電などのインフラは全て地下に設置。住居では室内用ロボットが物を運ぶほか、センサーやAIを使い、冷蔵庫の中身を自動で補充したり、住民の健康状態をチェックしたりするような生活をイメージしている。
 都市名は網の目のように道が織りなす街を意味する「Woven City(ウーブン・シティ)」。全体の都市設計はデンマークの著名建築家ビャルケ・インゲルス氏が担当する。開発費は明らかにしていないが、巨額に上るとみられる。ネットを通じて収集された個人データの安全管理なども課題となりそうだ。

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