静岡・裾野に建設の実証都市 トヨタ社長が知事、市長に協力要請

 トヨタ自動車の豊田章男社長と小林耕士副社長が17日、静岡県庁を訪れ、裾野市に建設する実証都市「コネクティッド・シティ」の計画を川勝平太知事と同席した高村謙二同市長に説明し、今後の協力を要請した。トヨタが地元に計画を正式に報告するのは初めて。川勝知事と高村市長は歓迎し、計画実現に向けて同社と連携していく考えを示した。

川勝平太知事と高村謙二市長に計画を説明した豊田章男社長(中央)=17日午後、県庁
川勝平太知事と高村謙二市長に計画を説明した豊田章男社長(中央)=17日午後、県庁

 会談は非公開で約50分行われた。県などによると、豊田社長は先に米国・ラスベガスで発表した内容をイメージ図や映像を交えながら紹介。「一緒にまちづくりをしていきましょう」と呼び掛けた。
 川勝知事は庁内に発足させた部局横断の対応チームを中心に、全面的に支援していく方針を示した。高村市長も「市としてもしっかり対応していく」との意向を伝えた。
 実証都市は、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本東富士工場跡地を中心に作る。人々が生活を送るリアルな環境の下で自動運転やロボット、人工知能(AI)などの先端技術を導入、検証する。着工予定は21年初頭。
 川勝知事は会談後、「人間にとって幸せなまちを作るという壮大な構想を伺い、感動が抑えられない。県民にとっても大きな期待を抱かせるもの」とのコメントを出した。高村市長は取材に「豊田社長の口から改めて計画を聞き、達成に向け(トヨタと)一緒に取り組んでいかなければいけないと感じた。身の引き締まる思いだ」と述べた。

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