駿河湾奥、エビ採捕できず 湾中部の三保、清水沖のみ

 駿河湾産サクラエビの秋漁で、県桜えび漁業組合(実石正則組合長)は30日、サクラエビの体長組成を調べ操業の判断材料にする資源調査を、駿河湾奥(富士川沖など)から中部(三保沖など)で実施した。サンプルが採捕できたのは、中部は三保沖などで、湾奥はゼロ。湾南部は通常の漁を行ったが水揚げ量は約1・1トンと前回(27日)から半減した。

湾奥から中部で実施した資源調査。反応は中部一部に限られた=30日午後、静岡市清水区の由比漁港
湾奥から中部で実施した資源調査。反応は中部一部に限られた=30日午後、静岡市清水区の由比漁港
海域別の漁師の受け止め
海域別の漁師の受け止め
湾奥から中部で実施した資源調査。反応は中部一部に限られた=30日午後、静岡市清水区の由比漁港
海域別の漁師の受け止め

 秋漁解禁前に数隻の漁船で2回にわたって行った調査から、今回は約80隻(由比港漁協所属)と大幅に増やして実施した。湾奥から中部まで網羅したが、全体的に魚影は薄くサンプルとして採捕できたのは三保沖や清水港付近のみで、小瓶計5本分。調査した漁師からは「この先が不安」と先行きを危惧する声が漏れた。
 サンプルは31日に県水産技術研究所(焼津市)で分析する。実石組合長は「もう少し反応があってもよかったが一喜一憂する必要はない。気候や海況の条件がそろった時を狙って調査を続けたい」と語った。
 調査範囲でなかった湾南部は大井川港漁協所属の約40隻が出漁。漁獲可能ラインの親エビの割合が30%以上確認できた焼津沖を中心に操業したが、出漁した大井川の40代漁師は「魚群探知機の反応が全然ない」と首を振った。
 例年、解禁後は水揚げ量が10トン前後と漸増するが、大井川の60代漁師は「エビの群れを見つけるのが大変。初漁からだんだん漁獲が減っていてこの先が不安」と胸中を明かした。

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