サクラエビ加工業者11社、廃業検討 不漁で、組合加盟の2割

 記録的不漁に陥っている駿河湾産サクラエビを巡り、静岡経済研究所が加工業者を対象に実施したアンケートで、不漁により廃業を検討している業者が少なくとも11社に上ることが、21日までの同研究所への取材で分かった。業界団体に加盟する加工業者の約2割に当たる。サクラエビの不漁は加工業者の経営も直撃していることが浮き彫りになった。

サクラエビ加工業者の今後の事業方針
サクラエビ加工業者の今後の事業方針

 調査は静岡市清水区の由比・蒲原地区と焼津市の大井川地区の各桜海老組合に所属する59社を対象に9、10月に実施し、29社が回答した。回答率は49・2%。11社の内訳は、「具体的に検討していないが、廃業せざるを得ない」が4社、「今後の状況によっては廃業する可能性がある」が7社で、回答した業者の約4割に上った。
 廃業を検討する理由を複数回答で聞いたところ、「サクラエビの不漁」と「原材料価格の高騰」がともに8割以上で、深刻な不漁が直接の引き金になっていた。「後継者の不在」も5割近くあった。取材では、未回答の業者の中にも同様の状況にある社は複数あるとみられる。
 不漁が深刻になる前の2014年と比べた売上高は、約8割が減少したと回答。半減以下にまで落ち込み「非常に減少」も3割近くとなった。
 行政などに期待する支援策(複数回答)は、「不漁の原因の追及」と「生態系解明に向けた調査・研究」がそれぞれ5割以上。「資金調達支援の拡充」など経営上のアドバイスへの期待よりも20ポイント以上高かった。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞