成育順調も回復途上 資源調査2回目「春漁へ慎重見極め」

 サクラエビの記録的不漁を受け、県桜えび漁業組合(望月武組合長)は18日、昨年秋から実施している資源調査の今年2回目を駿河湾で行った。組合によると、エビの順調な成育が見られ、水温の低いこの時期としては、魚群も比較的形成されていたという。一方で組合幹部は「資源回復の途上。慎重に見極めたい」と話した。

今年2回目の資源調査で採取されたサクラエビのサンプルを手にする県桜えび漁業組合の望月武組合長=18日午後、静岡市清水区の由比港漁協
今年2回目の資源調査で採取されたサクラエビのサンプルを手にする県桜えび漁業組合の望月武組合長=18日午後、静岡市清水区の由比港漁協

  調査は由比港漁協(静岡市清水区由比今宿)と大井川港漁協(焼津市)の所属船計29隻が夕方から約2時間半行った。組合によると、体長35ミリ以上の大きなエビや一定程度の魚群が見られたという。サンプルは県水産技術研究所(焼津市)で分析し、春漁の操業方針の参考にする。
  県が同日発表した今年1月の資源調査結果によると、昨年秋の調査では網に掛からなかったとみられる体長20ミリ程度のエビが見られたという。今回はさらにそれらのエビが順調に成長している可能性がある。
  2月の調査結果が出た後、漁師と加工業者、有識者、行政担当者でつくる意見交換会が3月に開かれる。交換会の意見を参考にし、県桜えび漁業組合が春漁の方針を決定する。
  実石正則副組合長は「1月の調査時から順調にエビが成長していると感じた。ただ資源回復に向け、今後も慎重に見守っていきたい」と話した。(「サクラエビ異変」取材班)

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